自分自身と向き合う期間~社会不安障害体験記⑤~

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岩本です。

前回は病気が判明した時のエピソード、その時の気持ちについて紹介させて頂きました。

今回はその後の休職していた時の過ごし方、どのように回復に向かっていったのか等、書いていこうと思います。

絡み合う気持ち
休職から復職まで、どのように過ごしていたのか…。

解決策を模索する毎日…

休職を拒否して、約1ヵ月半経った頃…普段と同様に朝起きる時間に目が覚めました。

“今日も起きて仕事に行かなければいけない”と頭では思いながら、身体を起こそうとします。
……….しかし上半身、下半身共に全く動きません。

身体の上に重い鉛があり、押しつぶされそうな感覚に陥りました。

声を出して母を呼び、仕事は行くのをやめて、病院に行こうと言ってくれました。
信頼している上司にはメールで一報入れ、休職を余儀なくされました。
私が起き上がれるようになったのは、夕方になってからでした。

その時の受診では、“仕事のことは忘れて、とにかく休んでください。”と医師から言われました。

すぐには仕事のことを忘れることは出来ず、天井を見ながら、休んでいることの罪悪感に心が苦しくなりました。

医師には、毎日日記を簡単にでも良いから書き、良かったことを5つ書き出すように言われました。
当時はそんなことより、解決策を教えてほしいと思っていました。
(これが近道と言われましたが、信じられませんでした。)

当初は朝は動くことが出来ず、夕方から調子が良くなることが多く、行動していました。
(私は社会不安障害の他にうつ病も併発していました。)
行動できるときは、起き上がりTVを見たり、母が買ってくれた自己啓発本を見ていました。

日記も毎日出来るだけ、良かったことに目を向け、書き続けました。
今でも日記を見ると、あの時の気持ちを思い出します。

駐車場を歩く
何処に向かえば良いのか分からない毎日…。

認知行動療法に出会う…

少し経った頃、とても尊敬していた作業療法士の先輩が、ある本をSNSに挙げていました。
それは【こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳】という本でした。
先輩に連絡をとると…その先輩も私と同じような経験をした時に、この本の考え方に沿って、問題を考えることで、少しずつ心が楽になったと話されていました。

これが私が認知行動療法と出会うきっかけとなりました。
通院帰りに本を買いに行き、読みながら自分で認知行動療法を実践してみました。

すると…少しですが自分の気持ちが楽になりました。
最初は自分の考え方のクセに気付くことから始まります。
自分の苦しめているクセがそこで明確になりました。
その考え方のクセを自分が適応できる範囲の考えにしていく作業には中々時間がかかりました。

それからは無理しない範囲で自己流の認知行動療法を本を読みながら行っていきました。
また体力が著しく低下していたために、出かけれる時は犬の散歩をしたり、母と街に行ったりしていました。
復職前には、実際に通勤で使用する公共交通機関を乗る練習を何度か行いました。

最初は人混みが怖く、途中で頭痛がして、めまいがしたこともありました。
その時は無理せずに、人混みが少ない場所に出かけ、徐々に札幌駅等の多い場所に段階付けを行って、慣れるようにリハビリをしていました。

友人とのご飯や飲み会は、理解の得られる同期や上司に絞って、出かけていました。
最初はだるさが強く、帰ってきては寝る日々の繰り返しでしたが、徐々に頻度を増やしていき、身体を慣れさせました。

少しずつ食べる量も増えていき、休職して1ヵ月半経った頃には、友人とディズニーランドに行くまで回復することが出来ました。

2ヵ月半後、職場の配置移動や軽減勤務を考慮して頂き、無事に復職することが出来ました。
その後も症状自体が全く無い訳ではなかったので、薬は服薬し続けていました。

それでも、以前と同様に常勤で、作業療法士として働くまで回復することが出来ました。

今後は社会不安障害を乗り越えるために、私が実践したことを具体的に記載していきたいと思います。
その後は友人・家族のサポート編、職場のサポート編と続けていきたいと思います。
少しでも社会不安障害で苦しんでいる方のお役に立てますように…。

(続く…)

タイプライターと本
認知行動療法と出会って変化した自分自身。

今の岩本が振り返ると…

今回は休職中の過ごし方、気持ち等を書かせて頂きました。
この期間は今までの人生の中で一番辛い日々だったと思います。

休むことへの罪悪感はたくさんの人が持っていると思います。
ですが、溢れてしまった水を少しずつ減らしていくには、休むことも一つの方法であると今振り返ると感じます。

休職中はとにかく、身体を充電することを第一に考えて過ごしていました。
自分が心地よいと感じれることを出来る時に少しずつ行っていました。
今ではこの期間があったからこそ、また新たなスタートを切ることが出来たのだと思っています。

そして私は認知行動療法に出会ったことも大きな分岐点であったと思います。
日々認知行動療法を勉強したり、患者さま(当時は病院で働いていたため)に用いることで、自分自身も変化することが出来ました。

うつ傾向が強く、対応中に拒否を示す方、思うように身体が動かずに泣いてしまいうつ的になる方、そして不安が強く人前で食事ができない、視線が怖くて震えてしまう私のような方…様々な方に認知行動療法の考えは対応でき、楽になれるものであると感じています。
実際に使用することで、変化する方をたくさん見てきました。

このブログは私自身のような症状や社会不安障害で苦しんでる方、その家族、その職場の方に向けて書かせて頂きました。

楽になれる考え方の一つとして、認知行動療法という心理療法があるということを知って貰えたらと思います。
私も『カウンセリングこころの羽』の代表・岡本さんもこの療法について日々学んでいます。
興味のある方は是非、一緒に苦しみから抜け出す方法を『カウンセリングこころの羽』で見つけてみませんか?

ちなみに今後認知行動療法についてのブログも随時更新していきますので、そちらも見ていただけたら嬉しいです(^^)/

次回は社会不安障害を乗り越えるために、実践した方法を詳しく記載していきたいと思います。皆さまに少しでも参考になることを願って…。

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岩本望未