断薬について①抗不安薬編~小田の経験から

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。

このブログでも、何度かご紹介していますが、私は、働き盛り真っ最中に、会社を休職した経験があります。

「突然の休職宣言」を読んでみる→

その経験を踏まえて、これまで、心療内科に行くタイミングや、カウンセリングの利用方法、主治医とのコミュニケーションの取り方についてご紹介しました。

「心療内科に行くタイミングはいつがいいの?」を読んでみる→
「初めてのカウンセリング」を読んでみる→
「主治医とのコミュニケーションの取り方」を読んでみる→

今も日記は書いているのですが、休職になって3日後から、わりと詳しい闘病記のようなものを付け始めました。

逆に、なぜ休職当日から書かなかったんだろうとちょっぴり悔しくなってしまうくらい、雨の日も風の日も?具合の悪い日も、一定の文量を欠かさず記録し続けました。

この記録がネタ帳になって、篠路店のブログでは「うつ病体験記」「うつギフ」として、中央店でもうつ病関連のブログとして活用されています。

読み返すと、「あ、痛たたたた…( ;∀;)」と胸が痛くなることも多々あるのですが、減薬から断薬の過程、その時々の身体やこころの状態も記録されているので、これも1つの貴重な臨床記録じゃありませんかということで、この機会にミニ連載としてまとめさせていただくことにしました。

なお、本連載は、あくまで小田の場合の減薬・断薬の過程であって、お一人お一人にあったペースでの投薬を主治医と相談し、減薬や断薬をする場合には、必ず主治医の判断を仰ぎながら行い、ご自身で判断しないことを強くおススメしたいと思います<(_ _)>

◆目の下のピクピクが止まらない

休職3日目から始まる闘病記には、このように記載されています。

・時計の秒針の音や、隣人の声が気になる。
・テレビの音量も今までは28くらいだったのが、10くらいでないと耐えられない。
・テレビは付けっぱなしにはできなくて、細かく消さないとダメな感じ。
・目の下のピクピクが3週間くらい前から止まらない。

休職直後から、過敏聴覚や眼瞼ミオキミアの症状が記載されています。

抑うつ状態のときは、ストレスが脳に影響を与え、防御反応として脳が敏感になり、普段は気にならないような音に過剰に反応してしまうことがあります。

また、眼瞼ミオキミアとは、眼輪筋(目の輪っか状の筋肉)の攣縮が不随意に起こることにより、上眼瞼または下眼瞼が、さざなみ状に動く状態で、通常片目に起こります。眼精疲労、ストレス、睡眠不足などがきっかけとなることがあり、通常数日から数週間で自然に治まることが多い症状です。

◆ソワソワ歩き回る

休職直後は、それまでの緊張・ストレス過多状態から急に解放され、仕事を休んでいる罪悪感や、部屋にいても何をしたらいいのかわからず、ソワソワ感が収まらなかった記憶があります。

「どうしよう、どうしよう。何をしたらいいんだろう。」
そんなことを考えながら、「みんなが忙しく働いているのに、外出するなんてもってのほかだ」と思って、部屋の中をソワソワしながら歩き回っていました。

今の私なら、「いいから何もしないでゆっくり休んでいなさいよ。」と思うのですが、そんなことを思える性格だったら、当時の私はうつになんてなっていないわけで…。

病院で投薬の処方を受ける前に、産業医からのドクターストップで急に仕事に行くことができなくなった私は、最初の2日間は、ひたすらソワソワしていて、やっと3日目に少し落ち着いて記録を付けようと思ったようです。

◆抗不安薬とは

抗不安薬(精神安定剤)とは、不安を和らげる効果を持つ薬で、日本では、精神科で処方されるのが1割、内科などの精神科以外で処方されるのが9割であるため、精神科に行ったことがない方でも飲んだことがあるという意味では、比較的身近なお薬かもしれません。

休職してから1週間後に行った病院で、抗うつ薬、睡眠導入剤のほか、中時間作用型のベンゾジアゼピン系抗不安薬1錠を「1日3回、朝昼夕食後」で処方されました。

漠然とした不安、ドキドキ・ソワソワ感、恐ろしさ、物音への恐怖…。
今までとは違う、「病的な不安」を抗不安薬の投薬でやわらげつつ、カウンセリング、散歩やヨガなどの軽めの運動を取り入れながら、少しずつ少しずつ薬を減らしていきました。

最終的には、投薬開始から3カ月半後に抗不安薬をやめることができたのです。
次回に続きます。

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