カウンセリング事例|不登校のご相談について

カウンセリング事例について

この『カウンセリング事例』のカテゴリーでは、様々なお悩みの対して『カウンセリングこころの羽』ではどのようなサポートが受けられるのかをご紹介させていただきます。

実際のカウンセリングでは、ご相談者さまごとに個別のサポートを担当する心理カウンセラーと一緒にサポート方法を決めていく流れとなります。

一つの参考例としてご一読いただけますと幸いです。

※このカウンセリング事例でご紹介する内容は個人のご相談者さまの具体例をご紹介しているわけではありません。

年間千件を超えるカウンセリング事例の中から『こころの羽』としてのサポート事例としてまとめて記事を作成させていただいております。

ご相談内容がウェブ上や他の相談者さまへ公開されることはありませんので、ご安心くださいませ。

不登校の場合

お子さんが「不登校」の状態になったとき、親御さんとしては非常に焦ってしまうものかもしれません。

早期解決のポイントになるのは、「原因の特定」と「周囲の理解」「周囲の協力」。

ここでは、そのポイントを3つの段階に分けてご説明させていただきます。

ポイント①原因の特定

「不登校」と言ってもその原因は状況によって様々です。

しかしながら、共通していることとしては、お子さまご自身の“ストレス”が非常に強い状態になっているという点です。

不登校になる場合の主なストレス要因としては…

  1. 学校の環境
  2. 家庭の環境
  3. ご本人の内面

の3パターンが中心になることが多いものです。

まず、一つ目の「学校の環境」で考えると…

想像しやすいこととしては、「いじめ」や「クラス替えによる環境の変化」「学校行事」「定期テスト」などがストレスの要因となる場合があります。

これらは一時的なものから慢性的なものまで様々ですが、周囲に上手く相談できていないとストレスとして大きく膨らんでいく場合がありますので注意が必要です。

また、最近の傾向としてはスマートフォンを持っている方も増えていることから、「友人関係の可視化」がストレスになってしまうことも少なくないようです。

例えばグループでSNS上のやりとりをしている場合、他の友人の発言には反応があるのに自分の発言には反応がない。

知らないうちに自分を除いた新たなトークグループが作られている。などが友人関係の可視化の具体例となります。

2つ目「家庭の環境」は…

とくに虐待などのような状況ではなくても家庭環境のなかでもストレスを感じる可能性があります。

もちろん、家庭環境が「良い」「悪い」という話ではありませんが、仮に生まれ育った家庭であっても本人にとって「合う」か「合わない」かは別の問題です。

もしも「合わない環境」だった場合には、ストレスの原因となる場合もあるのです。

例えば、親子関係、兄弟・姉妹関係、生活習慣、プライバシーを守れる環境があるのかなど…

人間関係から物理的な環境までストレスを感じる可能性があるのです。

普段であれば、直接的な原因になることは少ないかもしれませんが、他のストレス要因と重なってしまうと本人や周囲でも思いもよらない影響になることがあります。

体調不良などの傾向が見えてきた場合には、学校の環境と同時に家庭の環境についても見直ししてみると効果的かもしれません。

3つ目「ご本人の内面」とは…

これは、「性格的な面」と「習慣(行動)」の2つが当てはまります。

例えば、最近よく耳にする「HSP(ハイリー・センシティヴ・パーソン)」などの性格的な傾向性や「グレーゾーン」と呼ばれる発達障害ではないけれど、似たような傾向がある場合などは、同年代の他の方と比べると「ストレス」を感じやすい性格と考えることができます。

ご両親やご家族の感覚から見ると「普通」のことでもお子さんご本人にとっては「ストレス」に感じている可能性もあるのです。

その場合、短期的に変化させることは難しいかもしれませんが、カウンセリングの体験(心理療法やコーチング、トレーニング)などを通じて少しずつ変化することで本人にとっても「生きやすく」なるかもしれません。

また、「価値観や考え方=性格」が変化しなかったとしても「行動=習慣」が変化することによりストレスの感じ方や溜まり方が変化する可能性もあります。

このあたりもご家族からの指摘だと本人の気付きにつながりにくい場合がありますので、心理カウンセラーという第三者かつ専門家を活用することは有効な方法かもしれません。

ポイント②周囲の理解

「不登校」になっている状態は、視点を変えてみると「一つの結果」です。

「不登校」という結果の背景には、前述したような学校の環境や家庭環境、本人の内面的な要因が重なることで「学校に行きたくない」「学校に行けない(行こうとすると体調が悪くなる)」という状況が発生するのです。

この状況は、実は、「うつ病」や「うつ状態」に近い心理状態だと言えます。

うつ病になった方に「頑張れ」と言ってはいけないというのは有名な話だと思いますが、これは過度な「ストレス」をかけてはいけないということでもあります。

不登校になっている状態のときに「もう少し頑張ってみたら?」と励ますことは、逆効果になる可能性もあるということを周囲の方は理解しておく必要があります。

また、ある程度体調や心理状態が回復してきたときには「外に出ること」もできるようになります。

しかしながら、ご家族や周囲の大人や同級生などが「学校休んでいるのに外で遊んでいる」などと批判したり、否定的な態度を示すことで回復の流れは阻害される可能性が高まります。

不登校の状態は、原因を特定し、適切なサポートを行うことで解消できるものです。

外出できるようになることは、回復の過程として重要なポイントですので、ご家族はもちろん周囲からの理解も得られるように心掛けることが大切です。

ポイント③周囲の協力

学校側としては、担任の教師やスクールカウンセラー、同級生などからの協力を得ることも回復過程の後半で重要になってきます。

また、ご家族のみでのサポートが難しい場合は、専門家(心理カウンセラーやカウンセリングルームなど)の協力を得ることも大切かもしれません。

とくに不登校の状態が長期間になってくると「学校に行くこと」自体のハードルが高くなってきますので、学校側の協力体制として「保健室登校」や「遅刻」「早退」に対する柔軟な対応を承諾してもらうことも選択肢のい一つとなります。

「長期間」の判断基準としては、3週間以上、学校に行けていない状態が続いている場合には、学校側の協力を含め周囲のサポートが大切になる可能性が考えられます。

この「3週間」という基準は、人が週間を身につけるためには21日間(=3週間)かかる傾向があるという理論(『21日の法則』)を根拠にしています。

「習慣」とは、良い習慣であっても良くない習慣であっても一度身についてしまうとなかなか抜け出せなくなるものです。

そのため、「学校に通わない」という状態が「習慣」になる前にカウンセリングなどの専門的なサポートを利用することも大切になります。

不登校サポートを目的としたカウンセリングの進め方

ここまでご紹介させていただいた3つのポイント「原因の特定」「周囲の理解」「周囲のサポート」を中心に確認しながら、一人ひとりの個性、性格、状況にあわせた個別のサポートを進めていきます。

基本的には、お子さま本人からお話を伺うことが重要になりますが、ご本人が「カウンセリング」に行こうという気持ちが少ない状況の場合や体調が悪く外出が難しい場合は、お父さまやお母さまにカウンセリングへお越しいただきお話を伺うことも可能です。

「当事者であるお子さまではなくご両親がカウンセリングに来ること」は、一見「意味がない」ように感じるかもしれませんが、実は非常に重要な意味があります。

仮にお子さまご本人から「ストレスの原因」を聞くことが出来たとしても、そこを変化させることはお子さまご自身や心理カウンセラーの立場からは難しい可能性もあるのですが…

親御さんのサポートが得られる場合には、ストレスの原因を変化できる可能性が高まります。

そして、親御さんがお子さまに対する接し方や注意点を把握することにより、お子さまが自然と「カウンセリング」や「学校」に行ってみようと思えるきっかけを作れる可能性も出てくるのです。

もちろん、最終的にはお子さまご自身が心理カウンセリングにお越しいただき、「自分の傾向性」に気づくことで「変化」が生まれてくることが理想的です。

そのための第一歩としてご家族として「カウンセリングルーム」への接点を持つことが一つのきっかけになるのではないかと『カウンセリングこころの羽』では考えています。

とくに『カウンセリングこころの羽』では、男性と女性両方の心理カウンセラーが在籍しており、平均年齢は若めですので、お子さまも話しやすい環境ではないかと思います。

必要性を感じられた際には、まずはお気軽にご相談くださいませ(^^)

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』