うつと交友関係②上司編~小田の経験から

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。

「うつ」に関しては、篠路店のブログに書くことが多いのですが、久しぶりに中央店ブログで書いてみたいと思います。

メンタルダウンで休職することになった場合、残っている仕事の引継、休暇の処理や休職手続、給与や傷病手当など、さまざまな手続があります。

人事、総務、経理など、担当部門が分かれていれば、それぞれ担当がいると思いますが、それらを一括集約して、直属の上司が対応窓口になることが多いかもしれませんね。

となると、「上司との対応=会社との対応」という図式ができあがるので、色々と思い悩むこともあると思います。

当時を振り返ってみると、「上司や会社に負担をかけている」という思いがなかなか拭えず、その罪悪感が回復を邪魔していたんだなと回想する小田です。

◆先のことは、なるようにしかならん

上司とのやりとりは、体調の報告や手続についてメールで行うことが中心でした。
ざっと数えてみると100通以上。月平均で5通くらいでしょうか。

今振り返ってみても、仕事ができて人格的にも素晴らしい上司だったなぁと思います。
休職してすぐの頃、メールで体調を報告しつつ、最後に仕事の進捗状況について尋ねる内容のメールを送った私に対して、こんな内容の返信が届きました。

「最後に仕事のことを書くあたりが、「らしい」と言えば「らしい」けど、目先のものから処理していますので、心配なく。
仕事は大事なものの一つであって、一生懸命やるのは良いけど、所詮は人生の一部に過ぎないからね。
あまり先のことを考えずに、何より一日一日、今生きていることを楽しんだ方が良いと思うよ。
そうじゃないともったいないわ~!
先のことはなるようにしかならん。
と思うけど(笑)」

「仕事は大事なものの一つであって、所詮は人生の一部に過ぎない」
「一日一日、今、生きていることを楽しむ」
「先のことはなるようにしかならん」

ははぁ~_| ̄|○

そうですよね、そうなんですよね。
でもさ、でもさ、私の仕事をダダ被りしている人にそんなこと言われちゃったら、なんかもう、涙しか出てこないのさ…。

◆診察同行という地獄

休職した当時、管理職だった私の仕事は、一部は部下が負担したものもあったかもしれませんが、職務の性質上、直属の上司である課長がまる被りする他ない状態でした。

「不完全な状態で自分がいるより、後任者が入ってくれる方が会社の方としてもいいだろう」と思って休職に入る自分を納得させた面もありましたが、私の後任の管理職はすぐには補充されず、管理職1名の欠員状態が忙しい職場でしばらく続きました。

そのような中で、数ヵ月に1度、私の診察に上司が同行することもありました。
診察室で待ち合わせて、まずは一人で診察を受け、その後、上司が診察室に入ってきて、隣に座って、主治医に現在の状態を聞いたり、質問するというスタイルです。

当時の職場は、良くも悪くも、厳格で適正な手続を保障するというスタイルを取っており、休職中の職員を放置せずに、報告も求めるし、面談もするし、産業医との面談もあるし、診察にも同行することがありました。

「本人がいない場所で、勝手に主治医に本人の状況を尋ねてはいけない」というスタンスなのはわかるけれど、それって結構辛いんですよね。
なかなかの大人が、家族でもない人と一緒に診察室に入る、通っていたクリニックでは、自分以外では見ない光景でした。

◆迷惑をかけるということ

どう考えを尽くしても、休職している状況は、会社に迷惑をかけていることには変わりません。
「迷惑をかけている身分なんだから、断る選択肢なんてない」という思いがある限り、回復の道を遅らせてしまう悪循環。

「自分のために面談の機会を設けてくれている」→今の状態で面談を受けても、自分を責めて、余計に落ち込んだり、しばらく落ちてしまいそうだから、今回の申し出は断って、もう少し状態が良くなってからお願いできませんかと伝えてみよう。

そんな風に考え方を切り替えられるようになってから、回復への道は加速していきました。

「迷惑をかける」って何だろう。
「生きていること」自体が、知らず知らずのうちに誰かの迷惑になっていることもあるはず。
「迷惑をかける」ことが怖いのはなぜだろう。
「迷惑をかけられる」ことってあったかな?
それについて、私はどう思った?

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