こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。
コロナ禍の影響で、半年前とは変わった日常生活の風景。
色々と不都合な点もありますが、ここは良かったかも?と思うこともありまして…。
もともと、人が多い場所や密集している場所を避け、ある程度、空間があった方が心地良いと思うタイプだったので、スーパーやATMに並んでいる時に、後ろにぴったり人が張り付かない状況はホッとします。
みなさんは、いかがですか?
マスクの中はすっぴんなので、化粧品の減りが少なくなりました。
果たして、化粧品業界の売り上げは大丈夫なんでしょうか…。
中央店のホームページでは、HSPの記事を中心に投稿していますが、本店のホームページでは、うつに関する記事を中心に投稿していました。
睡眠に関しての専門書は、数多く出版されていますので、こちらでは、小田自身の不眠とうつに関する経験をご紹介させていただきたいと思います。
◆寝ても寝ても眠い
私は、前職で管理職をしている時に、うつ病のため休職していた期間があります。
休職する前に、様々なうつ症状を感じていましたが、「眠れない」ということは全くありませんでした。
むしろ、疲れてしまって、メイクもコンタクトも電気もつけっぱなしでの「寝落ち」が増え、順調に進んでいない仕事の夢を見て、朝起きるなり、ものすごーく身体が重だるい日々が続いていました。
寝ても寝ても眠い、泥のような眠り。寝つきに時間がかかることはなく、電池が切れたように眠るけど、常に仕事の夢を見ている。
それが休職前の私の睡眠でした。
◆中途覚醒の始まり
うつ病と診断され、仕事を休職し、治療が始まると、それまで溜まっていた疲れが一気に噴き出したのか、過敏聴覚の症状が大きく出始めました。
壁掛け時計の秒針の音、テレビの音量、食器を重ねる音、新聞をめくる音、隣家の生活音、街頭放送の音、女子高生の話し声など、今までは気にならなかった音の大群が襲い掛かってくるので、自宅でテレビも付けず、音楽も流さず、ひたすら静かな世界で身体を横たえる日々が続きました。
急性期という、身体の症状が重い頃は、薬を飲んで、少し食べて、眠るということだけを基本に生きていたので、身体はフラフラですが、精神的には何も考えられる余裕がない分、楽な面もありました。
そうした時期が落ち着いた頃、始まったのが「中途覚醒」と呼ばれるものでした。
睡眠導入剤を服用して眠ることができても、薬の効果が半減する頃には、「水をかけられたように」急に、ハッと目が覚めるのです。
このハッする目覚めは、1晩に2、3回あるのが通常で、ひどい時には、24時、1時、2時、3時、4時、5時という風に小刻みに目覚めました。
ついには、睡眠導入剤を服用しても、全く眠れなくなった時期もありました。
◆バタンキューには戻れない!?
もともと、ショートスリーパーと呼ばれる、睡眠時間が少なくて良いタイプの人や、寝付くのに時間がかかるタイプの人もいますが、私は、寝付くのに苦労しない、いわゆる「バタンキュー」で、普通に睡眠時間が必要なタイプでした。
休職中は、「明日仕事があるわけではないから、今夜眠れなくても、大丈夫なわけだし」と言い聞かせつつも、「眠る」という、これまで何の努力もいらずにできていたことが、運動をしても、日光を浴びても、眠れる音楽を流しても、アロマを焚いても、薬を飲んでも「眠れない」という現実に、恐ろしさと、虚しさを感じる日々が続きました。
私のうつ症状の中で、最も長く続いたものが、この睡眠障害でした。
本来、人が睡眠に入る時は、スイッチを切るように覚醒から睡眠に切り替わるのではなく、少しずつ眠りに落ちていくものなので、ベッドに入ってから眠るまでしばらく時間がかかる方が自然だそうです。
振り返ってみると、ずいぶん前からバタンキューだった私の睡眠自体が、質の悪い睡眠で、疲労を蓄積していたかもしれません。
主治医に症状を相談して、作用時間が違う睡眠導入剤(超短時間、短時間、中時間、長時間)を変えながら処方してもらい、その経過を観察して日記に付け、少しずつ少しずつ断薬をしていきました。
日記には、夜中に目覚めた時刻と回数の他に、目覚め方の表現として「水をかけられたようなハッとした目覚め」とか、「ぼやぼや~っとした浅い目覚め」なども記入して、主治医に伝えるようにしました。
こうした、自己観察、自己洞察の過程が、私の日記にはてんこ盛りですが、断薬やうつ病の回復には大きな役割を果たしたと感じています。
『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』小田真実