実家じまい体験記②

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。

今年は雪が少なく、気温も暖かくて過ごしやすい日が続いていた札幌。

このままだと雪まつりの雪像作りに影響があるんじゃ…と心配になるくらいでしたが、帳尻が合う形でこの週末はまとまった雪が降っています。

久しぶりの雪かきでぎっくり腰にならぬよう、どうかお気をつけくださいませ<(_ _)>
時間がたってしまいましたが、秋に公開していた「実家じまい体験記①」の続きです。

◆いつ頃着手するのがいいんだろう?

「実家じまい」というと、タレントの松本明子さんの「実家じまいに25年間、1800万円かかった」というエピソードが有名ですね。

松本さんのケースは、ご両親が亡くなった後も、だれも住んでいない実家を25年間維持したことによってかかった維持費の他、お母さまの着物が100着以上あったり、小説家を目指していたお父さまの書籍が書斎にあふれるほどあったなどの事情があったようです。

小田家のケースは、「相続人がだれも実家に住まないから売却しよう」という方針が固まったのが、四十九日を終えて、納骨を済ませた後のタイミングだったので、比較的早期に取り掛かることができました。

ところで、「忌中」と「喪中」の違いはご存知でしょうか?
恥ずかしながら、ざっくりとしたイメージしかなく、こういったことを控えた方がいい時期っていつなんだろうとググったりしました。

「忌中」とは、故人が亡くなってから四十九日までの期間で、「喪中」は故人の死後一年を目安に喪に服す期間と考えられているので、イメージとしては「忌中」は「めっちゃ閉じている期間」、「喪中」は「自主的に閉じ気味な期間」という感じに小田は理解しました。

忌中の間は、故人の魂が家にとどまっているとも考えられているようです。
そもそも「四十九日」という概念が仏教における考え方なので、地域や宗教によって守るルールが異なりますし、身内がいない方は、そういった期間も関係なく進んでいくんでしょうけど…。

きょうだいとも相談して、「四十九日までの間に小規模な遺品整理を行って気持ちを整理しつつ、四十九日を終えて納骨まで済ませたら、大々的な処分を行って実家の中を空っぽにしよう」という方針に決まりました。

◆ポケットから出てくるのは、ティッシュばかりなり

突然の長期入院→転院→系列の老人ホームで過ごした父は、その間、一度も自宅に帰ってくることなく亡くなりました。

自宅は一軒家で、納戸、車庫、庭あり。
空き家の期間は約二年。

いわゆるゴミ屋敷的に「捨てられないものがたっぷり」というレベルではないにしても、家具、家電、食器もそれなりにあって、テレビも二台、窓からしか出せない大型のマッサージチェアもありました。

冷蔵庫の中に調味料などを入れたまま電気を入れっぱなしにしていたので、冷蔵庫の中のものを真っ先に処分した後は、「粗大ごみ」として出したい布団や毛布をピックアップ。

昔って、どうしてあんなに布団があったんだろう?というくらい出てきます。
親戚一同が集まって寝泊まりするような家でもなかったのに、なんでだろう?

二階の押し入れの奥からは、たいそう立派なケースに入っているブランド物の毛布が発掘されたり。
きっと、古き良きお歳暮時代の贈り物だったと思われます。

すごくいいお品なんだろうけど、イマドキの感覚だと重くてかさばって扱いにくい印象。
布団や毛布だけでもざっと20枚はあったので、粗大ごみの料金とすると3000円くらい。

衣服については、親戚などに形見分けせず全て捨てる方針だったので、軍手をつけて、ひたすら燃えるごみと燃えないごみ袋に入れていく作業が丸二日。

ポケットにメモなどが入っていないか、小銭など入っていないか、ごみ袋に入れる前に全て確認しながらの作業です。

なんだか、刑事みたいだな…いや刑事はそんなことはしないのか?しらんけど。

なぜか、出てくるものはポケットティッシュばかり。
「またティッシュだよ~。どんだけティッシュ持ち歩いてるんだよ~。」とぼやきながら、笑いながら。

◆未使用の靴下ばかりが発掘され…

衣服の整理を進めていると、ブランドタグ付きの未使用の靴下が20足くらい発掘されました。

生前の父を思い浮かべると、いつも同じような毛玉が付いたスエットを着ていたり、かかと部分がネット状にうすうすになった靴下を履いているイメージがあったので、父の日のたびに、オシャレ目なスエットや少しお高めの靴下をプレゼントしていました。

「もったいないからとっておく」タイプの父でもあったので、とっておいているうちにその存在を忘れてしまったのか、着心地がイマイチだと考えたのか…、たぶん両方な気がします。

もともと、物を捨てられずにため込んでしまう傾向があった父ですが、施設に入所してからは、「どう考えてもお金が尽きてしまうから、この施設を出なきゃいけない」というような『お金の不安』が大きくなっていきました。

「もらっている年金でじゅうぶん支払える額なんだから心配ないんだよ」と手紙でも面会でも伝え続けた二年間。

ないないって、こんなにたくさん、あるじゃない、お父さん…。
遺品整理の日々のことを思い出すと、目頭が熱くなって、鼻の奥がつーんとしちゃいますね。

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『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』小田真実