身体の病とこころの病…医療機関と心理カウンセリングの関係

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岡本です。

今年も早いもので、ゴールデンウィークに入り…いつもとは違う時間を過ごしている方も多いかもしれませんね。

やりたいことが沢山ある方は、無理をし過ぎない程度に楽しんでいただき、やる気が起こらないなと感じる方はゆっくり過ごしていただければと思います(^^)

心理カウンセラーの仕事をさせていただいているとご相談者さまと心療内科やメンタルクリニックとカウンセリングルームの違いについてはお話する機会が多いのですが、今回のブログでは、身体の病を扱う医療機関とメンタルケアを専門とする心理カウンセリングの関係性をテーマに書いてみようと思います。

身体の病とこころの病

そもそも人のこころとからだは、表裏一体だと感じている方も多いのではないでしょうか?

「病は気から」という言葉もある通り、気持ちが落ち込んでいくと身体症状に繋がりやすいということは実感している方も多いように思えます。

例えば、ここ数年、私たちが直面している「感染症」の観点から考えたときにもストレス値が高い状態だと以下のような流れで感染症に罹患するリスクが高くなることが多くの研究でわかっています。

  1. 日常的なストレスが多くなる↓
  2. 唾液の分泌量が減少↓
  3. 口のなかに入り込んだウイルスや細菌が感染しやすくなる↓
  4. 身体症状や心理的な負担からストレスが上昇↓
  5. 症状が重くなったり、別の感染症への罹患リスクが上昇する

実際に私自身も緊張やプレッシャーなどのストレスを感じる場面などは「いつもより喉が渇く」ことを実感したりしますので、皆さんにとってもストレス値が高くなると唾液の分泌量が減少することは納得できる現象なのではないでしょうか。

このように本来は“こころ”の方の問題や課題だったとしても身体症状へ影響が生じることがあるものです。

そもそも病院は好きですか?

誤解のないように補足させていただくと、今回の記事は医療機関を批判したいものではありません。

しかしながら、幼少期からの経験、体験の積み重ねや時間的、金銭的な負担などから「病院」に対してネガティブなイメージを持つ方も少なくないのではないでしょうか?

例えば何かの検査で通院したり、家族の付き添いで通院するだけでも「疲れ」を感じることが多い場合は、病院という場所に対するイメージ自体がストレスを感じさせている可能性も考えられます。

医師や看護師さんの場合は、「病院=職場」になるので、今回の話とは意味が異なってきますが、患者として利用する側の視点で考えると「病院」に対するイメージ自体がストレスを増加させる可能性もあるのです。

そういった意味では、手術などによる負担ももちろんですが、入院や通院だけでもストレスが増加する可能性が高まるものなのです。

体の病が原因での入院でも、期間が長くなることによってうつ病になってしまうケースが少なくないこともこの辺りの心理的なストレスが一因なのかもしれませんね。

カウンセリングルームは好きですか?

これは「嫌い」と言われてしまうと、さすがに悲しいのですが(笑)

もちろん、人それぞれ考え方が違って大丈夫です。

長年このお仕事をさせていただいていると、様々なお悩みを持っている方のサポートをさせていただく機会がありますが、「カウンセリングルームに嫌々来ている」よりも「話を聴いてもらえるのが嬉しい」と思ってきてくださる方の方が効果が高くなりやすく、実際に回復も早かったり、課題克服の達成度も高いことを実感します。

無理に好きになれという話ではないのですが、できれば「病院」に対するネガティブなイメージに近い考え方は持たずにご利用いただくことをお勧めしたいなというのが本音です。

(逆に言うと…病院に好意的な印象を持っている方は、体の病の回復も早い傾向があるのかもしれませんね…。)

私たち心理カウンセラーとしては、「はじめてのカウンセリング」が嫌な思い出にならないように細心の注意を払いながら、ご相談者さまにとって最善なサポートになるよう努めていくのですが、そもそも心理カウンセリングに不信感を持っている状態や家族に強制されて連れてこられた状態などだとなかなか効果を実感してもらいにくい傾向があります。

自分を楽にするポイントは“認知(とらえ方)”と“行動”

現代の心理カウンセリングのなかで主流になっている心理療法に『認知行動療法』というものがあります。

詳しい説明を書き始めるとものすごく長くなってしまうので、ここでは割愛させていただきますが…。

人がストレスを感じるときのポイントのは、「強い我慢」や「長い我慢」です。

やりたいことを我慢する。

やりたくないことを我慢してやる。

この条件に当てはまるものが多いとストレス値が高くなっていきます。

ある程度まではストレスに耐えることができますが、皆さんの心の中にある許容範囲を超えてしまうと「気持ちが落ち込む」「体調が悪くなる」「やる気が出なくなる」といった自覚症状が増えていくことになるのです。

身体の病(入院や手術)がきっかけになって「うつ病」を併発するケースなどは、「我慢」が重なったことが原因とも言えるかもしれませんね。

この状況を予防したり、改善するために心理療法を用いてサポートさせていただくのが、カウンセリングルームの役割なのですが、実際に“心理カウンセリングでやること”は、以下のようなものになります。

  1. 様々な角度からお話を伺う
  2. ご相談者さまが気付いていない原因や対処方法などを心理カウンセラーと一緒に見つけていく
  3. 行動や環境を変化させることができる場合は、その方法を一緒に考える
  4. 認知(ものごとのとらえ方)を変化させることができる場合は、その方法を一緒に考える

※これらの方法からご相談者さまにとって負担が少ないものを組み合わせながらサポートしていくことが多いです。

もちろん、これらの流れを強制するのではなくて様々な視点や立場などを一緒に考えながら、ご相談者さまご自身が納得できたときに試してみる。納得できなければ、また別の角度や別の方法から一緒に考えていく。

こうして、少しずつ「我慢」を減らしていくことが心理カウンセリングの一つの流れです。

ご相談者さまの気持ちや方針によっては、他の心理療法を組み合わせることもありますし、『カウンセリングこころの羽』では、教科書通りのやり方にこだわるというよりはご相談者さまのその時その時の心境や状況にあわせて”一緒に考えていくこと”を大切にしています。

身体の病だとお薬や手術など、直接的な手段で症状を改善することが多いかもしれませんが、こころのケアだと直接的な手段というよりも間接的に少しずつ、ご本人が納得しながら気持ちを変化させていくことが大切になるのです。

『認知行動療法』は、様々な書籍が出版されていますし、医療機関(心療内科、メンタルクリニック、精神科病院)でも心理士さんから教えてもらう場合もあるかもしれません。

もしも、その経験や体験のなかで「挫折」したことがあってもご相談者さまにとっての”こころのサポーター”となる心理カウンセラーとの相性によっては、効果を実感できることもありますのでご安心ください。

ご不明な点がある場合は、お気軽にお問い合わせくださいね(^^)

『カウンセリングこころの羽』岡本教兵