こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。
現在、小田のカウンセリングは中央店でのみ行っているのですが、カウンセリングこころの羽は、篠路店でスタートし、中央店は二号店となります。
なんとなく、場所柄、中央店が一号店のようなイメージがありますよね(;^_^A
そのような経緯から、ホームページも分かれており、私も、当初は篠路店のブログを書いていたことから、篠路店のブログ更新が滞らないよう、時々、篠路店ブログに登場することがあります。
中央店のHPでは、HSPに関するブログを書いていますが、篠路店の方では、「うつ」に関する体験記や、【うつギフ】というコラムを書いていました。
先日、篠路店の方で、うつと交友関係についてブログを書いたのですが、こちら→
今回は、こちらのサイドストーリー的な話になります。
◆また旅に出たようなもんかもね
私が、突然、産業医から三か月の休職を言い渡され、職場から消えた1週間後、「また旅に出ているんですか」というオシャレな切り口でメールをくれた部下に対し、当時の私の返信はこのようなものでした。
「そうなの…。
人生の旅路に来ちゃったのかなぁ。
どうしてなんだろう。
自分でも不思議な気もするし、いつかはこうなる気もしたし…。
ちょっと休暇をいただくことになったんだけど、いつ旅路から戻れるか、今はわからないんだよね。」
このブログのために、久しぶりに送信メールを見てみましたが、これまたオシャレな?切り返し。
とか言ってる場合じゃないか。
その後、「件名 旅」とするメールが届きました。
「どんな旅かは聞きませんし、差し出がましいことを言う気は全くありません。
少し長くなるかもしれませんが、仕事としてではなく、人間同士として送りますので、気楽に読んでください。
小田さんは、もう十分人に尽くしてきたから、今は自分を責めたり、人の迷惑とかなんて考えずに、好きなことを好きなようにやっていいと思いますよ。
持ちつ持たれつですよ。存分に休んでくださいよ。
仕事なんてなんとでもなりますから。
ただ、今後の人生の旅をどうするかは、今決めずに、十分に休んだ後に決めた方がいいと思います。
その決断がどうあれ、仕事関係なく仲間だと思っているので、困ったことがあったら何でも言ってください。
小田さんなら、そう言ってくれる人、たくさんいるはずですよ。頼っていいと思います。
夜明け前が一番暗い。またメールします。」
実際のメールでは、これまでの私を間近で見ていて、自分の仕事観や人生観に大きな影響を与えたエピソードなどが具体的に書かれており、「自己否定の世界」に真っ逆さまに落ちている私に、天国からクモの糸を垂らすがことく、救ってくれるような内容でした。
それを掲載するのは、さすがに照れくさいので割愛していますが、今読み返しても涙が出てくる永久保存版です。
◆夜明け前は結構長かったな…
私の心に、特に刺さったのは、「仕事ではなく、人間同士として送る」「決断がどうあれ、仕事関係なく仲間だと思っている」「またメールする」という言葉でした。
今、カウンセラーという目線で、このメールを読んでみると、実に重要なポイントが書かれていると思います。
① 具体的エピソードを交えて、自己否定から救い出している。
② まずは仕事のことを心配せずに、「休むこと」をすすめている。
③ 重大な決断は、「休んで回復した後に行うこと」をすすめている。
④ 職場の利害関係なしで連絡しているし、頼ってよいと言っている。
⑤ またメールすると、締めくくっている。
ドライな見方かもしれませんが、職場での関わりって、どんなに個人的に仲が良くなったとしても、何らかの利害関係が発端だと思うのです。
職場が離れれば、利害関係が消えて、何となく疎遠になってしまうこともありますよね。
もちろん、職場が離れても、交流が続くこともありますが、休職している人と交流を続けるのは、なかなか難しいことだと、自らの経験も踏まえて思います。
だって、休職中は、誰かと交流する「気力」も「体力」も「自信」もないんだもの。
そんな「権利」すら、自分にはないような気がするんだもの。
もしもメールをくれた人がいても、気を遣って送ってくれている気がするし、だから大丈夫ですよと安心させてフェイドアウトさせるのが「大人の礼儀」だと思うの。
というような、私の「いじけ心」を打ち砕くべく、有言実行の部下は、その後もずっと、ポツンポツンと負担にならないペースでメールを送り続け、私の「夜明け前の」暗い時代を支えてくれたのでした。
◆能ある鷹は…
今回は、休職中の交友関係として、部下編をお送りしました。
とても洞察力に優れ、人間力があって、人の心に刺さりまくる名文を作る部下ですが、なぜか、普段はその才能をめちゃめちゃ隠しまくっています。
同じ部屋で机を並べて働いていたのは1年ちょっとしかなくて、同じ職場の時に、個人的に飲みに行くなどの交流も全くなく、なんなら、チームでの飲み会もあっさり断られてしまうくらいの距離感でした。
私が休職したのは、その部下と離れた数年後だったので、人の縁とは、誠に不思議なものですね。
『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』小田真実