うつ病の家族との関わり~当事者と家族からの目線~

こんにちは。札幌市の中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岩本です。

暖冬と言ってた今年の冬ですが、最近は雪が一気にどっかり降る日が多くなってきましたね。
それも溶けて凍っている場所に雪が積もるため、とっても滑ります。

愛犬も散歩中に氷の上で転んでいました(笑)
こんな天気だと気分も落ち込みそうですね…。
そんな時こそ、あえて気分が上がるようなことを意識的にすることが大切かもしれません。
ちなみに今日私は通勤中の音楽をアップテンポな曲に変えたり、お昼ごはんに好きなおかずを入れてみたりして、少し気分が上がったのでした(^^)

さて、前置きが長くなりましたが、今回のテーマは「うつ病の家族との関わり」です。
私の祖父は30代からうつ病を患っており、家族として関わっていました。
その中で気付いたことを記載出来たらと思います。

当事者としての視点では、私に対する両親の対応を振り返っていきます。

雪を見ている女性

家族としての関わり

幼い頃から病気がちであった祖父。うつ病の他に脳梗塞の後遺症もあり、私の中では「理解できない行動ばかりする祖父」と思っていました。

それでも祖父は私に笑顔を見せて、時には「食べ方が同じだね。」と声を掛けてくれたりもしていました。
しかし当時中学生だった私は、「同じじゃない!」と大きい声で拒否をしました。

今思えば祖父は帰属の欲求を満たすために、私に対してこのような行動をとったのかとも思います。
自分の居場所として認めたい気持ちが強いために、「あなたと一緒」との同意を求めていたかもしれません。

欲求を満たせてあげれなかったことで、徐々に祖父の欲求は欠乏していき、最終的に、安心・安全の欲求すらも満たすことが出来なくなってしまい、寝込んでしまう日が多くなりました。

そして体力も落ちていき、病院に入り寝たきりになってしまうという悪循環を引き起こしてしまいました。
散歩が好きだった祖父。気分が良い日は散歩に誘ってくれたりもしましたが、私は拒否的な態度で返してしまっていました。

当時のことを振り返ると、祖父の言ったことに否定せず、寄り添ってあげる姿勢を見せることが出来たら、祖父も良い思い出が残ったかもしれません。
プラスの感情を示すことが出来ないまま、話が出来ない状況になってしまったことは今でも悔やまれます。

うつ病の家族として、大切なことは本人の想いに寄り添いながら、出来ることはしてあげるという姿勢であると感じます。

治療しているクマ

当事者として…

その8年後、私は祖父と同様にうつ病と診断を受けました。
当初はほとんど身体が動かず寝たきりの状態でしたが、夜になっていくにつれて、気分が良くなっていき、活動するというサイクルでした。

母は私の調子を見ながら関わってくれ、その時私が出来ることの手助けをしてくれました。
調子の良い日は買い物に誘ってくれたり、母自身も私のために考え方の本をたくさん読み、私に教えてくれました。

少し調子が良くなりはじめたけど、体力が落ちかけていた頃、母に「今日から朝と夜に犬の散歩に行って来て欲しいの」と頼まれました。

目的がないと動かない私に対し、自ら目的を作り提示してくれました。
犬の散歩が日課となった私は、徐々に体力も回復し、遠出出来るくらいまで元気になりました。

復職する時に母が私に言ってくれた言葉は「辛くなったらいつでもやめて良いから、無理しないでね」でした。
その言葉があったからこそ、無理せずに過ごすことが出来たのではないかと思います。

うつ病の当事者目線から、関わりで大切なことは、本人の本心を理解し、そのことを示して安心できる環境を作ってあげることではないかと思います。

家族の目線からも当事者の目線から言えることでありますが、本人の生理的欲求、安心・安全の欲求、帰属の欲求を満たしてあげるような環境つくりやサポートが一番大切なことであると感じます。

自己実現理論-5段階欲求説

やる気がある状態って…

「~したい」、「~をやりたい」というやる気のある状態というのは、自己実現理論であると一番上の段階と言われています。

そのため、うつ病の人がやる気がない…と感じてしまうのは自然なことなのです。
うつ病は最初に生理的欲求である睡眠や食欲に影響が現れます。
この部分を改善するためには、お薬を使うという選択肢もあるかもしれませんが、生活のリズムをつけることも大切なことであると感じます。

生理的欲求が満たされた後は、家族や周囲の人のサポートが必要な時期に入ってくると思います。
先ほどにも記載した通り、安心・安全、帰属の欲求を満たすような関わりをしていくことが大切です。

もちろん周囲の人のサポートと自分でも行動していくことは大切ですが、家族が出来ることはたくさんあると感じます。

ちなみにカウンセリングは帰属の欲求を満たすことが出来ます。
いつでも自分を向かい入れてくれる居場所としての役割だったり、解決のサポートをしてくれるカウンセラーという存在だったり…色々な部分で活用することが出来ます。

今回は自己実現理論を使って、家族からの目線、当事者からの目線で関わりを書いてみました。
もっと詳しく知りたい方は、是非ご利用を検討してみて下さい(^^)/

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岩本望未