主治医とのコミュニケーションの取り方~カウンセラー小田の経験から

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。

このブログでも、何度かご紹介していますが、私は、働き盛り真っ最中に、会社を休職した経験があります。

その経験を踏まえて、これまでのブログでは、心療内科に行くタイミングや、カウンセリングの利用方法についてご紹介しました。
「心療内科に行くタイミングはいつがいいの?」を読んでみる→
「初めてのカウンセリング」を読んでみる→

今回は、現在、病院に通院している方に向けて、ご自身の病状や希望を伝える方法など、何かと悩むことが多い、主治医とのコミュニケーションの取り方についてお伝えしたいと思います。

お医者さんは怖い?

男性の医者

なんとなく、お医者さんは頭が良くて、忙しいので、つまらない疑問をさしはさんだり、要領を得ないことを言ったら、怒られそうなイメージがあるのは私だけでしょうか。
いや、私だけではないはず?

幸いなことに、私は、二件目に訪れた心療内科で、信頼できる主治医と出会うことができました。
主治医との出会いを読んでみる→

主治医とは、長い通院生活の中で、薬を変更したり、減薬を開始したり、私の上司と面談していただいたり、退職や職場復帰時期の相談をしたりと、何かと意思疎通を図る機会がありました。

私は、気持ちの浮き沈みや喜怒哀楽が激しくなく、落ち着いた性格をしている方だと思いますが、休職して通院生活を送っている時は、自己肯定感も下がりに下がって、
「仕事もしないで、ただ息をして、ご飯を食べて、薬を飲んで、寝ているだけ。その寝ることすら、薬を飲んでいても、何度も起きちゃうんだから、いったい何のために生きているんだろう。」と自分に対する罪悪感を持ち続ける日々が続きました。

「ただ息をして、ご飯を食べて、寝る。それが今の私の精一杯で、それをするのが今日のお仕事。何ができても、できなくても、私の価値は変わらない。」
そんな風に思えるまでには、結構ジタバタして、失望したり、受け入れたりしながら、こだわりや完璧主義を手放す必要がありました。

自己洞察のススメ

朝起きて、自宅でDVDを見ながらヨガをして、ご飯を食べて、ちょこっと家事をして、夜になれば寝るというシンプルな日々の中でも、仕事の夢を3本くらい見てから目覚める日もあるし、上司に直近2週間の体調をメールで報告する日もあるし、時には職場に行って上司や産業医と面談をして、帰宅後にさめざめと泣く日もあり。

身体が謎に痛い日も多いし、買い物のために外出して、急に体力ゲージが下がって座り込む日もあるし、夜中にトイレに行った後に、倒れて意識を失う日もあったり…。

診察日までに、どんな出来事があって、どんな気持ちになったのか、体調はどうだったのかを、要領よく説明する気力も体力も能力も減退している中で役立ったのは、自己洞察と原因分析のために記した日記でした。
私のメモ生活を読んでみる→

日記は、主治医に、前回から今回診察日までの体調、気持ちを整理して伝えるための振り返りツールになるだけでなく、上がったり下がったりしながら回復に向かう病状を俯瞰的に見るため、そして近い将来、自分がどのような方向に進みたいのか、自分が辛いと思うことは一体何なのか、繰り返し出てくる感情や言葉がヒントになります。

診察日直近に気分が落ちていたら、主治医に伝える内容もマイナスなものになりがちですが、前回診察日から今回までを通しての「全体的な」睡眠や疲労度、気分はどうだったのか?

悪くなっていると感じるのか、変わらないのか、ちょっとずつでも良くなっているのか。

長いスパンで見て、客観的に伝えることを考えて振り返ってみましょう。
家族と同居している方は、主治医に、家族の感想(「最近、テレビを見ながら笑っていることが増えたよね」など)を伝えてみたり、定期的にカウンセリングに通っていれば、カウンセラーの見解も参考になります。

疑問は、主治医に質問して、主治医の言葉をそのまま書き留めておくと、職場、カウンセラー、家族に伝える時に役立ちます。

「先生がきちんと答えてくれなかった」「流された」「怒った口調だった」

本当にそうなのか、主治医の言葉を、第三者に伝えてみると、また違った見方があるかもしれません。

自分の機嫌は自分で取る

体調のチェックリスト

私の日記には、①体重②睡眠(最初に目覚めた時間、見た夢や目覚めの状況、最終的にベッドから起き出した時間)③食事時間と食事内容④体調(だるさや痛さを感じる部位とその程度)⑤その日にやったこと(ヨガや散歩)⑥疑問や感じたこと⑦服薬状況⑧ベッドに入った時間を書いていました。

私はメモ魔なので、↑だと結構な記載量になりますが、もっと簡単に、今日の体調と気分を「○△✕」にする、点数法にする「体70点 心40点」、表情マークにする「☺ 」など、自分に合った方法で、一定期間、継続してみましょう。

体調が悪いのは、疲れているからなのか、生理が近いからなのか、寝不足が続いているからなのか、いつもより食べ過ぎたからなのか。

気分が落ち込んだのは、未来のことを考えすぎて絶望したのか、身体が痛かったからか、SNSを見て誰かと自分を比べたからなのか、家族に気になる一言を言われたからか、自分で自分を責めたからなのか。

自分の機嫌を自分で取るために、今もせっせと日記で自己分析を続ける小田です。

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』小田真実