こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。
大通公園のライラックも満開となって、いい香りがする季節になってきました。
4年ぶりの開催となった大通公園のラーメンショーで、全国各地のラーメンを日替わりで食べて、ちょっぴり塩分過多な今日この頃です。
ラーメンっておいしいけど、舌先に塩分が残ってピリピリしませんか…(;^_^A
今回は、札幌出身の精神科医で、毎日YouTubeでメンタルケアに関して発信をされている樺沢紫苑先生が書かれた「病気を治す感情コントロール術」の中から、服薬に関して非常に参考になると思われる点を、大通公園で撮影したライラックとラーメンショーの風景とともにご紹介させていただきます。
◆完全に治すと闘わない
この本は、メンタル疾患に関して、どのような姿勢でのぞむと治るのかということを客観的データとともに、分かりやすい言葉で書かれています。
私が一番心に響いたのは、「完全に治すと闘わない」という言葉です。
樺沢先生が考える「治る」は、「苦痛や痛みや不安が今よりも軽減、消失して、楽になる、症状が良くなる状態」と定義しています。
「うつ病を治す」という場合でも、「病気になる前の状態に戻る」とイメージされがちですが、100パーセント元の状態に戻ることを目標としないということです。
仮に、100パーセント元の状態に戻ることがあったら、以前と同じ考え方や行動を繰り返して、再発するリスクが生じてしまいます。
特にうつ病などのメンタル疾患は、再発率が高いと言われているので、「通院・服薬・生活習慣の改善・物事の捉え方や行動の変化」をセットにして、症状を軽減させていく、自分が楽に生きられるように再構築を目指すことをカウンセリングでもオススメしています。
◆プラセボ効果を最大限に活かす
投薬には、プラセボ効果があることがわかっています。
これは、薬効成分の入っていない「偽薬(プラセボ)」であっても、「よく効く薬だ」と信じて飲むと、症状が緩和されるなどの改善効果が出る現象です。
プラセボ効果を調べた実験によると、痛みをコントロールする効力が、末期がん患者に投与する強力な鎮痛剤の約55~60パーセントもあったそうです。
プラセボ効果は、自覚症状に限らず、熱・血圧・血糖値も低下させるなど、身体にも影響があります。
以前は、プラセボ効果は「暗示的な効果」「思い込み」によるものと考えられていましたが、最近の研究では、プラセボ効果が起きる場合に、実際にオキシトシン、内因性オピオイド他、さまざまなホルモンと物質が分泌されることがわかりました。
どうせ飲むなら、このプラセボ効果を最大限に発揮させるためにも、「必ず効く」と思って飲むことが大切ですね。
◆ノセボ効果に注意
プラセボ効果という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、逆の「ノセボ効果」はご存知でしょうか。
ノセボ効果とは、薬に対しての不信感が強いと副作用の出現率がアップしたり、主治医に対する不信感が強いと薬の効果が減ってしまう現象です。
薬が効かないだけではなく、「副作用が出やすくなってしまう」のは恐ろしいですね。
イギリスの脂質異常症の治療薬を使った研究によると、副作用の約9割は薬の成分とは無関係で、ノボ効果によって生じていると発表されています。
ノセボ効果で9割も副作用が出るなんて驚きです。
その他の研究でも、ノセボ効果によって薬の効果が約20パーセント減じてしまうという報告もあります。
小田の経験上でも、睡眠導入剤であれば、飲むと眠くなりますし、精神安定剤だと、ソワソワやドキドキが少しおさまる感じがありますが、抗うつ薬は、飲んですぐ身体に影響が出ているとは感じにくいお薬です。
①抗不安薬、②睡眠導入剤、③抗うつ薬、の順番で断薬をしていく流れになったので、抗うつ薬が一番長く飲み続ける薬になります。
当時は、抗うつ薬って一体どんなふうに効いているんだろう?と思うこともありましたが、「効いているか効いていないかよくわからないけど、抗うつ薬を飲むことで多少なりとも寛解率が上がるなら、主治医を信じて飲み続けよう」と決めていました。
うつ病の薬物療法は、寛解となった後にも寛解を維持し、再燃を防止するための継続治療を16~20週間続けた後、維持治療(初発うつ病で半年~1年、反復性のうつ病ではそれ以上の期間)を行い、徐々に減量していくという原則があります。
長い投薬期間となり、不安や不信感が出てくることもあると思いますが、主治医に質問したり、カウンセラーにアウトプットしつつ、「効いているんだ」という思いを持ち続けることが「治る」に近づくことになるのだと実感しています。
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