「似ている」と感じる心理~心理カウンセラーがドラマを観て思うこと~

こんにちは札幌のカウンセリングルーム『こころの羽 札幌篠路店・札幌中央店』心理カウンセラー、しみずこうこです。
私の夫は韓国ドラマが大好き、頭の中は「サランヘヨー」。
韓国の純愛ドラマでキュンとすることが最近彼のストレスケアのようです。
現実逃避でしょうかね?
確かに韓国ドラマは面白いんです。何作かは夢中になって観ましたが、一度観はじめると何も手につかなくなる危険な魅力があるので、私はなるべく距離を置くようにしています。
とはいえ、夫が真剣に観ている横で、ついつい横目でチラチラ。
「この俳優さん、日本の○○さんに似てない?」、そんなどうでもいいことが気になってしまいます。

最近感じた似ている

日本の俳優さん同士でもよく「似てるな」と思うことがあります。
最近では松村北斗さんと白洲迅さんのおふたり。
油断して観ていると「あれ?どっちだっけ?」と真剣に悩むこともしばしば。
この「なんか似てる」は、人によって違います。
私が「似てる!」と思っても、夫には「え!っ全然似てないよ」と言われることも…。
人が感じる「似てるの感覚」心理的におもしろい現象だと思いませんか?

似ている

「客観的」「主観的」に似ていると感じる心理

「客観的」な見かたとして、私たちは人の顔を見るとき、目や口の位置、輪郭の形などを“全体のまとまり”として認識しています。
柔らかくて少し切れ長の目元、口角の下がり方、線の細い輪郭、髪型など。
こうした形やバランスといった「客観的」な情報に共通点があると、脳が「同じ系統」と判断し、「似ている」と感じます。
外見の構造的な“共通項”を自動的にまとめてしまうのが、脳の習性のようです。

私たちが誰かを「似ている」と感じるのは、見た目の要素だけではありません。
自分の経験や感情を通して、相手を“心で見る”こともあるのです。
これが「主観的」な見かたですね。
私の場合、白洲迅さんが演じる役には、お堅い刑事や公務員役“真面目で不器用な片思いキャラ”が多い印象があります。
報われなくてもヒロインを静かに見守り、時にはそっとサポートする姿。
胸が切なくなってしまいます。
一方の松村北斗さん、繊細で心に葛藤を抱える役どころが多く、静かな眼差しの奥に“強さ”や“はかなさ”を感じます。
そうした「優しさ」「切なさ」「静かな強さ」といった共通した感情の動きが多くなると、私の心の中で2人が重なって見えてしまうんです。
本当に私の勝手な「主観的」な見かたです。

秋の風景

主観」と「客観」、ふたつが合わさり…

「主観」と「客観」の両方を使って人を認識しています。
テレビの俳優さんだけではなく、現実の人間関係でも…。
初対面なのになぜか「懐かしい」「話しかけてみたい」「ちょっと怖そう」「話しかけにくい」「この人苦手」などと感じることがありますよね。
それは、過去に出会った誰かとの記憶や感情を無意識に重ねているから。
初対面なのに緊張したり、ぎこちなくなったりするのは、主観的なインプットが強く働いているサイン。
しかし時間をかけて関わるうちに「思ってた印象と違ったな」と感じることもあります。
それは、新しい情報、客観的な情報が増えていくことで、初期の主観的イメージが更新されていくからですね。

あなたはどちらのタイプ?

最近、「この人とあの人、なんか似てるな」と思ったことはありますか?
その“似ている”という感覚は、外見の共通点(客観的な見方)から?
それとも、心が動いた印象(主観的な見方)から?
もしかしたら、あなたが「似ている」と感じたその瞬間、あなた自身の心の動きや記憶が映し出されているのかもしれません。
カウンセリングルームでは、そのような視点からお話をするのも大歓迎です。
あなたの心の傾向、お話してみませんか?