面接を受けるとき、どんなことを考えていますか?~心理カウンセリング目線で考える日常~

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岡本です。

新学期や新年度もスタートして少し時間が経ちましたが、皆さんは「面接」を受けるときにどんなことを考えているでしょうか?

「何を突然…」と思わせてしまったかもしれませんので、補足説明をさせていただくと…

カウンセリングルームにお越しいただくご相談者さまのお悩みの内容が「人それぞれ様々」なのはもちろんですが、一般的にイメージするような「カウンセリングルームは、うつ病や不安障害などのメンタル関連の相談をするための場所」という役割だけではなく、日常生活のなかでの恋愛や失恋、就職や転職のご相談も承っています。

そもそも、心療内科やメンタルクリニック、精神科病院などの“医療機関”というわけではないので、逆に言うと「どんなお悩み相談でもOK」なのがカウンセリングルームの特徴であり、強みなのです。

心理カウンセリングをしている相談者とカウンセラー

面接は、評価をされる場所?試される場所?

それでは、ここから今回の本題に入ってみようと思いますが…

あなたが「面接」に対して持っているイメージは、どのようなものでしょうか?

「怖い顔をした男性が3人くらい座って睨みつけていて…答えにくい質問をされる…」

「笑顔で質問してくれているけれど、本心、本音は全然わからない…」

中には、面接が得意で「面接で決まる要素が高ければ、必ず合格できる。」と思っている方もいるかもしれませんね。

人は、自分が弱い立場であると認識してしまうと緊張しやすくなり、頭が真っ白になりやすいものです。

では、この緊張状態を防ぐために何をするのか、どうするのかが重要になりますので、簡単にではありますが、少し考え方をまとめてみようと思います。

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本質的な面接の役割とは

人それぞれ、面接に対する考え方や認識が異なるのは自然なことですし、その考え方を否定することが目的ではありません。

ですので、今回のブログでは、受験当事者になるとついつい見落としてしまいがちなポイントについてまとめてみたいと思います。

その1.採用する側(合否を決定する側)の不安要素を減らすための場所

人の心は“見えない”、“分からない”という条件に当てはまる物事や人物に対して不安を膨らませる傾向があります。

これは、本能的なものですので、多かれ少なかれ世の中の人々全体に当てはまることになります。

これは、面接を受けるあなたにも当てはまりますが、面接官や採用担当者にも当てはまることになるのです。

当たり前のことですが、学校であれ、会社であれ、新たに人を招き入れるときには、「初対面」からスタートします。

その人がどんな人物なのか、どんな価値観を持っているのか、どんなことをやってきたのか、書類を見るだけで“安心”できる人はなかなかいませんよね?

それが面接を担当する人や採用を担当する人にも当てはまるということなのです。

この点に注目してみると面接では、「何を答えるか」ももちろん大切なのですが、それ以上に「相手から自分を見たときに“見えない”、“分からない”を減らすことを意識してみることの大切さに気付くかもしれません。

あなたが不安に思うのと同じように相手もあなたに対して不安を感じる…これがスタート地点になります。

その2.求職者(受験者)と企業(学校)のミスマッチを防ぐための場所

相手側にあなたのことを少し知ってもらって、安心してもらえれば採用されるのか…というと、もちろんそれだけで全てが決まるわけではありません。

受験者が多数いれば、その中で比較されてしまうのはやむを得ないことではあるのですが、それ以上に重要なこととして求職者(受験者)と企業(学校)のミスマッチを防ぐこともとても重要な面接の役割だと考えることができます。

仮に企業(学校)側があなたに「是非、仲間入りしてもらいたい!」と考えて内定や合格通知を出したとしても、実際に入ってみるとあなたが「思っていたのと違った…」と思い、すぐにやめてしまったとします。

これこそが、採用する側が最も避けたい“最悪の事態”なのです。

採用してみて思ったよりも能力が低かったな…と企業側が思う場合は、「採用した責任もあるから、ちゃんと育てよう。」と思う場合がほとんどですし、その可能性も含めて合否を決めることが多いのですが、入社・入学した側に「なんか違う、や~めた!」と思われてしまうと対処のしようがありません…。

これを避けるために受験者さんが本当に心から「ここに入りたい!」と思ってくれているのかを確かめたいというのが採用する側の気持ちなのです。

Fresh seedlings of marrow (zucchini ) "Wanda" are growing in carton containers indoors at early spring. Preparing to replant in a greenhouse.

事前準備としてやっておきたいこと

ここまでは、面接を受けるときの考え方や心構えのお話をしてみました。

ここからは、実際に面接を受ける前にやっておきたいこと、意識しておきたいことをまとめてみます。

相手に興味を持っていることを伝えるための準備

私自身もサラリーマン時代に面接官を担当する場面もありましたが、その時に「ガッカリ」することが多かったポイントが、「面接を受けに来ているのに就職したいと思っている会社のことを何も調べていない」という状況を目の当たりにしたときでした。

人は、『返報性の原理』と呼ばれる何かをしてもらえたら、自分も相手に何かをしてあげたくなる心理を持っています。

例えば、誰かから誕生日プレゼントをもらったら、自分もお返ししたくなる気持ちが、この『返報性の原理』です。

この心理傾向を土台に考えてみると…「うちの会社(学校)に本当に興味を持ってくれているんだな」と感じれば、受験者に対しても興味を持ちやすくなる=採用されやすくなる。ということになります。

もちろん、経験や能力、保有資格なども判断基準にはなると思いますが、面接を受ける直前に増やすことができるものでもありませんので、面接日程が決まったら無理に自分を成長させようと背伸びをするのではなく、相手の情報をできるだけ調べたり、自分がいかにその企業や学校のことを好きなのかを語れるように準備してみましょう。

自分らしさを表現するための準備

最後にもう一つだけヒントをまとめてみます。

油断してしまうと事前準備をすればするほど、“不自然”になってしまうのは人の特徴ではないかと思いますが…。

この“不自然”な状態こそが、相手の“違和感”=不安=不採用へとつながってしまう一番の原因かもしれません。

経歴や条件が不一致な場合は、面接以前の段階で不採用になってしまうことがほとんどだと思いますので、面接に進めた時点で採用される可能性はあります。

ですが、答えている内容が「なんか言わされている感じだな…」「頑張って練習してきたんだな…」と思われてしまうと採用される可能性は低下してしまうものです。

自分にとっての自然体を見せるためには、考えたこと、準備したことを「自分の言葉で伝えること」を練習していくことが大切です。

逆に言うと、自分の言葉で伝えられない内容なら、言わない方が(自然と言える内容で答えた方が)相手の安心感につながり、採用確率は上がっていくのではないでしょうか。

「面接」までの時間が少ない段階では、何かを詰め込むというよりも早めに寝る、コンディションを整えることに重きをおきつつ…もしも時間があるようであれば、「自分の特徴」「自分の個性」について一度考えを整理してみることも大切かもしれませんね(^^)

『カウンセリングこころの羽』では、お話を伺いながら気持ちの整理、考えの整理をお手伝いさせていただく『カウンセリングプラン』の他にも自分の目標や強みを明確にするサポートをする『目標達成サポートプラン』、普段は無意識な“価値観”を目に見える状態にすることで自己理解を深めることができる『心理分析プラン』など、その時に必要なサポートをご用意しておりますのでご活用いただけると嬉しいです。

あなたは、あなた自身のことをしっかり言葉で表現できますか?

カウンセリングこころの羽 岡本教兵