不安や気分の落ち込みとの付き合い方〜「受診の目安」と「相談の目安」~

こころの不調を感じたら

不安や気分の落ち込みとの付き合い方
〜「受診の目安」と「相談の目安」~

「これは病院に行くべきなのか、それとも気の持ちようなのか」。判断に迷う方へ。
日常的な付き合い方と、医療機関を受診したほうがよい目安をまとめました。

やわらかな暖色の光のボケ。希望と安心感をイメージした抽象背景
Photo by Philipp Hubert on Unsplash

こんな状態に、心当たりはありませんか

理由のはっきりしない不安。なかなか晴れない、気分の落ち込み。多くの方が判断に迷うところです。

  • 不安や落ち込みが続き、自分でも理由がよくわからない
  • 「病院に行くほどなのか」と、受診をためらってしまう
  • 気分の波に、必要以上に自分を責めてしまう
  • どこに相談すればいいのか、糸口が見えない

ここでの内容は一般的な情報であり、診断に代わるものではありません。
まず、不安や落ち込みという反応そのものを理解するところから始めましょう。

この記事で分かること

日常でできること

  • 不安や落ち込みが起こる仕組みの理解
  • 心を落ち着けるための具体的な工夫

判断に迷ったときに

  • 医療機関を受診したほうがよい目安
  • カウンセリングという選択肢と、医療との役割の違い

不安や落ち込みは、誰の心にも起こります

不安や落ち込みは、心が「今は少し負担が大きいよ」と教えてくれているサインのようなものです。
危険やストレスを感じ取ったときに起こる、ごく自然な反応であって、けっして異常なことではありません。
多くの場合、時間がたち、まわりの状況が変わっていくにつれて、少しずつやわらいでいきます。

問題になりやすいのは、その状態が長く続いたり、不安や落ち込みが強くなりすぎて日常に支障が出たりするときです。
「波がある」こと自体は自然なこと。
そう知っておくだけでも、必要以上に自分を責めずにすみます。

日常でできる、心を落ち着けるための工夫

不安が強いときは、思考が先走りがちです。
そんなときは、ゆっくりとした呼吸や、足の裏が床に触れている感覚に意識を向けてみてください。
体の感覚に注意を戻すと、“今この瞬間”に立ち返りやすくなります。

あわせて、睡眠・食事・活動のリズムを整えることも助けになります。
生活のリズムが乱れると、気分も揺れやすくなるからです。
とはいえ、完璧を目指す必要はありません。
できる範囲で少しずつで十分です。

頭の中だけで考え続けていると、不安はどんどん大きく感じられるもの…。
思い浮かんだことを紙に書き出して外に出すと、少し距離を取って眺められるようになります。
そして何より、つらさを言葉にできる相手を持つこと。
一人で抱えず、信頼できる人や相談先に話すだけでも、気持ちは整理されていくものです。

こんな状態が続いているなら、医師への相談も

ここからは少し、体が出しているSOSのサインについてのお話です。
心のつらさは、眠りや食欲といった体の調子にもあらわれます。
次のような状態が2週間以上続いているときは、休息だけでは回復しづらく、医療的なケアが力になることがあります。
無理に自分で抱えず、専門家の手を借りるという選択も、どうか心にとめておいてください。
カウンセリングと医療はそれぞれできることが違うため、状況によっては両方を組み合わせることも、ひとつの選択です。

  • 眠れない、または眠りすぎる状態が2週間以上続いている
  • 食欲の極端な低下や増加、体重の大きな変化がある
  • これまで楽しめていたことに、まったく関心が持てなくなった
  • 日常生活(仕事・家事・登校など)に明らかな支障が出ている
  • 「消えてしまいたい」といった考えが頭をよぎる

とくに最後の項目に心当たりがある場合は、ためらわずに医療機関や専門の相談窓口へ連絡してください。
緊急のときは、お住まいの地域の相談ダイヤルなども利用できます。

カウンセリングという選択肢

カウンセリングと医療機関の役割の違いを示す図解。話して整理する支援と、診断・薬による治療の比較

一方で、「診断がつくほどではないけれど、気持ちが晴れない」「自分の考え方の癖を見直したい」「これからの生き方を整理したい」。
こうしたテーマは、カウンセリングが向いている領域です。

カウンセリングは、医療機関の治療と対立するものではありません。
必要に応じて、並行して活用できます。
受診中の方が、治療と並行して気持ちの整理にカウンセリングを利用されることも少なくありません。
医療機関とカウンセリングの役割分担については、メンタルクリニックや心療内科ではなく、カウンセリングルームだからできることもあわせてご覧いただけます。

※ カウンセリングは医療行為ではありません。本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療に代わるものではありません。上記の「受診の目安」に当てはまる場合や、つらさが強く続く場合は、医療機関や地域の相談窓口へのご相談をおすすめします。

この記事を書いているのは

医療とカウンセリングの役割の違いは、ご相談の場で丁寧にお伝えしてきたことです。

岡本教兵

岡本 教兵(おかもと きょうへい)

心理カウンセラー(日本うつ病サポート協会認定)/ マインドケア株式会社 代表取締役

カウンセリングこころの羽で9年間、5,000名以上のご相談に向き合ってきました(実績はマインドケア株式会社全体の合算)。企業研修や大学講義などの分野でも活動し、「質の高いカウンセリングをもっと身近に。」をミッションに、メンタルヘルス・人間関係・自己理解に役立つ情報を発信しています。

よくあるご質問

病院に行くべきか、カウンセリングか、どちらを選べばいいですか?

その迷いも含めて、まずはご相談いただけます。
上記「受診の目安」に当てはまる場合は医療機関を優先してください。
診断がつくほどではないが気持ちを整理したい、という場合はカウンセリングが向いています。

通院しながらカウンセリングも受けられますか?

はい。治療と並行してご利用いただくことができます。
医療と対立するものではなく、それぞれの役割で支えます。

はっきりした悩みがなくても相談していいですか?

大丈夫です。
「なんとなく晴れない」という状態こそ、言葉にして整理する価値があります。

迷いそのものを、相談して大丈夫です

「どちらに行けばいいかわからない」。
そんな迷いを抱えたまま動けずにいる方は少なくありません。
その迷いも含めて、まずは話してみることが整理の助けになります。

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※ カウンセリングは相談・教育を目的としたサービスです(医療行為ではありません)。