カウンセリング事例|HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)

カウンセリング事例について

この『カウンセリング事例』のカテゴリーでは、様々なお悩みの対して『カウンセリングこころの羽』ではどのようなサポートが受けられるのかをご紹介させていただきます。

実際のカウンセリングでは、ご相談者さまごとに個別のサポートを担当する心理カウンセラーと一緒にサポート方法を決めていく流れとなります。

一つの参考例としてご一読いただけますと幸いです。

※このカウンセリング事例でご紹介する内容は個人のご相談者さまの具体例をご紹介しているわけではありません。

年間千件を超えるカウンセリング事例の中から『こころの羽』としてのサポート事例としてまとめて記事を作成させていただいております。

ご相談内容がウェブ上や他の相談者さまへ公開されることはありませんので、ご安心くださいませ。

HSPは障害なの?

まず、ご安心いただきたい点として、最近、耳にすることが増えている「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」という表現は、医学的な表現ではなく気分性障害のようなものや発達障害のような「病気」や「障害」と呼ばれるものとは異なるということです。

このHSP自体に関しては、インターネット上でも書籍でも詳しく紹介されているものが多数ありますので、そちらの説明にお任せするとして…ここでは、具体例やカウンセリング視点でのサポートについて書かせていただこうと思います。

HSPに当てはまる方の特徴(概要)としては…

  • 物事を深く捉える傾向が強い(処理の深さ…Depth of processing)
  • 五感からの刺激を受けやすい(刺激を受けやすい…Overstimulated)
  • 感受性が高い、共感力が高い(感情的反応性・高度な共感性…Emotional reactivity and high Empathy)
  • 細かなことや他人の意図に気づきやすい(些細な刺激に対する感受性…Sensivity to Subtle stimuli)

というものがあり、これらHSPの特性は英語表記の頭文字をとって「DOES」と表現されます。

HSPの定義に当てはまるのは、これら4つの要素すべてに当てはまる方ということになります。

実際に『カウンセリングこころの羽』の代表カウンセラーである岡本の妻は、HSP傾向が強く、日常生活の中でも上記4つの傾向が強く現れることがあります。

例えば…

◆処理の深さ…物事を深く掘り下げることが好きで哲学や心理学、脳科学に限らず、様々な分野に対して学習意欲が高い

◆刺激を受けやすい…とくに音や気配に対して敏感で、かなり遠くで風船の割れる音がしても身体が「びくっ」と反応してしまったり、目の前に人が現れたときは、急ではなくても驚きます。

◆感情的反応性、高度な共感性…感情移入することが多く、動物系の感動映画などは「必ず泣いてしまうから観ない」と決めているほどです。

◆些細な刺激に対する感受性…家族の心の変化や友人知人の様子には、相手が言葉を語る前から気づいていることがよくあります。

というように必ずしも「悪い」ことだけではないのですが、物事に対して非常に敏感な傾向が強いと言えます。

具体的な内容を考えると「病気」や「障害」と結びつけることは、気が早いように思えますよね?

HSPの生きにくさ

「障害」ではないのであれば、気にする必要はないでしょ?と周囲から言われてしまうこともあるかもしれませんが…

実際にHSP傾向が強い方が人生に生きにくさを感じてしまうこともあると思います。

『カウンセリングこころの羽』の考えとしては、「ストレス」を感じやすい傾向があるから。という視点からサポートをスタートします。

上記の通り、HSP傾向が強い方の場合、外的な刺激に反応しやすく、内面的に深く考えることを好む場合が多いため、周囲との関係性や自分自身の問題や課題に対して「重く」受け止めていく可能性があります。

その結果として、本来であれば、「ストレス」を実感しない程度の出来事であっても身体に反応が現れる(頭痛、腹痛、吐き気など)ほどに考え込んでしまったり、強いストレスを抱えてしまう状況になる可能性も考えられます。

もちろん、そのこと自体が「問題」なのではなく、抱えてしまったストレスを上手く解消できない状況になったり、日常生活に支障が出るほどの身体的反応(学校や会社に行けないなど)になってしまう場合にこのHSP傾向をどのように捉えるかが重要になってきます。

カウンセリングでのサポートは?

HSP傾向については、厳密に言うと先天的な要素である可能性が高く、カウンセリングでのサポート範囲を超える可能性も考えられます。

「根本的に解決」や「性格を変える」という視点でのサポートは難しい場合もあるのが事実です。

その一方で、「ストレスを感じやすい傾向」と捉えてみるとカウンセリングの専門分野の一つとなります。

例えば、認知行動療法(CBT)と呼ばれる心理療法を活用して、物事の捉え方を把握し、変化や成長を促すことや日常的なストレスが「限界」を超えないように「ストレスケア」(メンタルケア)の側面からサポート方法を考えていくなど、実際に効果を生んでいる方法がいくつもあります。

この「ストレス」を軽視しているとHSP傾向が一つの要因となって、「うつ病」や「うつ状態」に陥ってしまったり、周囲の人間関係を悪化させることに繋がったりと状況が悪化する恐れもありますので、「自分自身で何とかすること」に限界を感じた場合などは、カウンセリングルームで相談してみることも一つの選択肢です。

HSP傾向を持っていらっしゃる方は、人の気持ちや状況を細かく把握できるなど、たくさんの「強み」を持っている可能性があります。

これは、HSPに限ったことではありませんが、自分自身の傾向を正しく把握し、その傾向にあわせた「生き方」(人生の成功パターン)を身につけていくことはメンタルヘルス、心の健康の側面からも重要なことですので、一人で悩むよりもまずはご相談してみてくださいね。

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』