術後うつの治し方…~心理カウンセリング目線で考える日常~

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岡本です。

日ごろから健康に気を付けようと思っていても自分の意志で避けられるわけではないのが病気…。

私自身は、今のところ目立った不調はないものの、20代の頃から腎臓結石を抱えていることやコロナ禍に入った数年前に血便を体験するなど、年齢があがるにつれて心配事が増えることを実感しています。

今回は、手術後にメンタル不調を経験するいわゆる“術後うつ”について心理カウンセラーの目線からヒントをまとめてみようと思います。

膝を抱える

ヒント1.治すことにこだわり過ぎない

「術後うつの治し方」というタイトルをつけておきながら、一つ目のヒントが「治すことにこだわり過ぎない」なのは、我ながら誤解されてしまいそうだな…と思うのですが、ガッカリするのは、まだ早いです(汗)

このブログを読んでくださる方に本質的なヒントをお伝えするためには、この話題は避けて通れないことなのできちんと説明していきますね。

うつ病は、完治しない病気…?

そもそも、“うつ病”という病気には「完治」という言葉は使われず、症状がよくなっても「寛解(かんかい)」と表現されます。

この「寛解(かんかい)」は病気が完全に治ったわけではないけれど、症状や異常が消失した状態のこと。

心療内科や精神科病院、メンタルクリニックの医師であっても「うつ病」という目に見えないものに対して完治という言葉を使用することは現実的に難しいということの現れともとれますよね。

では、この「寛解」が悪い状態なのかというと、そういうことではなく、日常生活に支障もなければ辛い、苦しいという状況ではない段階となります。

症状が軽減されて、日常生活がスムーズに送れる状態なので、本人からしてみると「じゃあ、完治しましたね」と言って欲しい!というのが本音かもしれませんが…

目に見えないものであり、その方の価値観や考え方、その時の状況や環境によっても変化するのがうつ病やうつ傾向なので、客観的に「治りましたね」と断定することが難しいということは頭の片隅に置いておくことが大切ではないでしょうか。

うつ病を治すことにこだわり過ぎないの本質的な意味は…

ここで本題に入っていきますが、「うつ病を治そう」「うつ病を治さなきゃ」と思うその気持ち自体には何の問題もありません。

が、

治そうとし過ぎてしまうと生まれてくる気持ち…それが、「治らない自分はダメなんだ」という自己否定です。

ここで改めて誤解のないように補足をしますが、私は「うつ病は治らない」と言いたいわけではありません。

これまでにもお薬を何種類も飲んでいたり、不眠だったり、摂食障害だったり、気持ちの落ち込みからなかなか抜け出せない方たちを沢山サポートしてきました。

そして、実際に回復した方たちも何十人、何百人と見てきました(^^)

そのなかで非常に重要だと感じているのが、「自己否定」をしている段階だと苦しい状態が長引いてしまい、回復に向かいにくいということです。

今回のテーマにさせていただいた「術後うつ」も「うつ病」も何かしらのストレスが原因になりやすいことは皆さんもご存知だと思います。

その「ストレス」が限界を超えている状況のときに、ご本人が「自己否定」という大きなストレスを生み出し続けてしまうと…この場合の結果は、明らかではないでしょうか。

もちろん、この自己否定をしない状態を自分ひとりで身に着けるというのは難しい場合もありますので、そんなときには私たち心理カウンセラーに相談していただきたいのですが、向かっていく方向性としては、治そうとし過ぎて自分を否定するよりも「ストレスが許容範囲を超えると誰でもうつ病やうつ状態になる」ということを前提に「ストレスを減らすための方法」を考えていくこととなります。

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ヒント2.理想の自分と今の自分のギャップを埋める

これは、特にケガや病気にともなう手術や入院などの経験をした後に生じやすいものではないでしょうか。

「今まで当たり前にできていたことが上手くできない…」

「薬も飲まなきゃいけない…病院にもいかなきゃいけない…リハビリもしなきゃいけない…」

そんな術後の負担=ストレスを感じているときには、理想の自分を想像し過ぎてしまうことも知らず知らずのうちにストレスになりやすいもの。

「理想を手放しましょう」と言いたいわけではないので、そのときの体調やメンタルによって高い目標を設定することも悪いわけではありません。

ただ、一度、体調を崩した後だと「普通の生活」や「いつもの自分」が「理想の自分」=今の自分とのギャップが大きい状態になっていないか考えてみることも大切です。

ここもデリケートな部分なので、補足説明をしておきますが…

「理想の自分を描くな」ということではありません。

今までの自分にとっての“当たり前”を今の自分に当てはめてしまい、“自己否定”をしないでくださいね…ということなんです。

この自己否定を減らすためにも、一旦、「理想の自分=今までの自分」のことは置いておいて、「今の自分」にとってできること、やりたいことを少しずつ行動にうつしていく。

もしも上手くいかなくても自分を責めない、否定しない。

これが回復の一番の近道になるのではないかと考えています(^^)

counseling image

一人ではうまくいかないときには、カウンセリングも活用を。

考え方を変えようと思っても、自分ひとりでは難しいことも多いので、気持ちが落ち込んでいる状態が長引いているな…と感じたら、カウンセリングのご予約を検討してみてください。

具体的には、やる気がわかなかったり、落ち込んでいる状態が1週間以上続いたときには、カウンセリングをご予約いただくのがお勧めです。

カウンセリングこころの羽では、当日予約の受付もしていますが、季節やタイミングによっては1週間以上先の予約になってしまうこともありますので、「限界を感じたら予約しよう」ではなくて、「少し余裕があるうちに予約しておこう」の方がタイミングとしては効果的なことが多いのです。

あなたがもしも「辛い気持ちからなかなか抜け出せない…」と感じているのであれば、一度、カウンセリングを体験してみませんか?

『カウンセリングこころの羽』岡本教兵