HSPについて⑪~仕事をやめたくなるとき

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。

少しずつ、日が長くなってきてきましたね。
まだ吹雪く日があったり、外の風景は真っ白ですが、春が近づいてきているのを感じます。

大通公園の雪像もなく、観光客がめっきり減った札幌中心部。
こんな静かな雪まつりシーズンは滅多にないことなんだよなぁと、しっとりと味わいながら大通公園を散歩する小田です。

今回は、仕事をやめたいなぁと感じているHSPさんに向けて、お届けしたいと思います。

◆「先のこと」ばかり考えていませんか?

当たり前のように、平均寿命を前提に、人生設計を考えている方が多いと思いますが、いかがですか?

「だいたい、87歳くらいまで生きるとして、きっと65歳くらいまで働かなきゃならないよね。自分が年金をもらう頃には、きっと今より減らされるだろうから、年金プラス毎月5万円くらい必要だろうし…。みんなどのくらい貯金しているんだろう?っていうか、65歳までに2000万円も貯められる気が絶対しないんですけど。明日も仕事か。最近なんか疲れる…。人とも話さなくなったし、楽しめることも少ないし。気晴らしの外食にも行きづらいし、旅行にも行けないし。65歳まで今の職場で働かなきゃならないのはキツイけど、このコロナの時代に、転職なんて無理だよね…。」

↑こんな感じで、もんもんと未来のことを考えてしまいませんか?
コロナ禍の今、未来のことを考えて、ワクワクしたり、ハッピーな気持ちになれる人は少ないかもしれません。

過去のことを思い返すと「後悔」が浮かび、未来のことを考えると「不安」に襲われるのが人間です。
過去は変えられないし、未来がどうなるかは、誰にもわからないのです。
コロナじゃなくても、病気や事故などで、「不意に」寿命が尽きてしまうことを、私たちはあまり考えずに過ごしています。

もしも、あと1年の命だとしたら……。
私は、今を、毎日を、どんなふうに生きていきたいんだろう?
どんな人に囲まれて仕事をして、どんな人と一緒にいて、どんな部屋で生活をして、どんなものを食べたいんだろう。
そんな風に考えてみたことはありますか?

◆1年後に寿命が尽きるとしたら?

仕事をやめたいなぁと考えることが多くなった時に、「もしも、あと1年の寿命だったら、自分はこの仕事を続けるだろうか?」を自分に問いかけるのも一つの方法だと、私は思います。

ここで、あと1年なら貯金でまかなえるから、仕事自体すぐに辞めて、好きに暮らすという選択ができるケースもありますが、その場合は、貯金がギリギリ状態になる寿命を設定して、考えてみてください。

ここで、「いや、その寿命なら、間違いなく他の仕事してみたい!」と思った方は、今の仕事に「飽き」がきてしまって、卒業時期にきているかもしれません。

または、日常の細かなストレスが蓄積し、大きな疲れに変化してしまって、考え方がマイナスに偏っている可能性もあります。

給料はガマンした分の報酬、仕事は疲れるもの、そういう考え方もありますが、その疲れはやり遂げた後の心地良い疲れですか?
「なんだか虚しい」「なんだか悲しい」そんな疲れになって、帰り道に涙がこぼれていませんか?

◆今日の疲れを分析してみましょう

自己洞察に最もオススメなのは、日記ですが、日記をつけるのはハードルが高いと感じられる方は、スケジュール帳の余白や、スマホのメモでも大丈夫です。
一日を振り返ってみましょう。

・朝の調子はまずまずだった。
・朝一のミーティングで不意に話を振られて焦った。あらかじめわかっていればいいけど、突然振られるのは昔から嫌だし、慣れない。
・昼休憩前にお客様から急ぎ案件の電話が立て込んだので、休憩時間がいつもより短くなって、ご飯を焦りながら食べた。
・同じ島のメンバーが上司に怒られていた。怒り方が感情的だから嫌な気分になった。
・その上司が私のデスクの後ろを通ったので、なんとなく自分の仕事の進捗状況をチェックされているようでドキドキした。自分の仕事を見られるのは、いつも気になってしまう。
・この仕事について5年もたつのに、緊張感やプレッシャーに押しつぶされそうな自分が嫌だし、自分がきちんと仕事が出来ている気がしない。
・もっと頑張らなきゃいけないんだろうな、でも色々と疲れるな。

↑こんな風に一日を振り返ってみると、このケースでは、体調に問題はなかったけれど、朝一のミーティングから緊張感が高まり、その緊張感を昼休憩で回復できないまま午後に突入、周囲の怒りや悲しみの感情を受け取った結果、気疲れを起こして、自分で自分にプレッシャーをかけ、自己肯定感を下げてしまったようです。

こうして、少しずつ書き出してみると、対処できるポイントが見つかりやすくなります。
HSPさん達は日常的に「気疲れ」つまり脳疲労を起こしているケースが多く、そのような気疲れがストレスを蓄積させて、マイナスに偏った考えに支配されやすい傾向にあります。

仕事をやめたくなったとき、今の仕事の卒業時期にきているのでしょうか?
それとも「気疲れ」でマイナスに考えが偏ってしまっているのでしょうか?

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』小田真実