こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。
HSPに関する連載も7話目になりました。
この連載を通じ、HSPに関する様々な書籍から考察したり、ご相談者さま自身の生の声から勉強させていただく機会も増えました。
最初は、疲れ切って、自信を失っているご相談者さまが、短所も長所も含めて、HSPという自分の気質を受け入れ、これまでの自分を深く洞察し、ストレスケアを実施するうちに、気持ちも体も楽になっていく過程を見ると、嬉しい気持ちになります。
このブログを書いている日も、「今までは色々と辛かったけど、カウンセリングを受けるうちに、これまでの自分の働き方や考え方、人との接し方などを色々と見つめ直す機会が増えました。今までHSPの本を読んで理解したつもりでも、腑に落ちていなかったことが、自分の中でストンと落ちて、今日一日を快適に過ごすことが大切だと思うようになりました。」との感想をいただき、ご相談者さまからの深い気づきをお聞きすることで、私自身が得るものが大きいなぁと実感しています。
今回は、幼児期に養育者との間で安心・安全な愛着関係が結ばれていたかを、現在の人間関係に対する自分の考え方から診断してみたいと思います。
◆愛着スタイルの自己テスト
次の4つを読んで、自分の「親密な人間関係」一般に一番当てはまるものと思えるものを選んでください。
あてはまるものが2つ以上ある場合でも、とりあえず一番当てはまるものを1つ選んでみましょう。① 相手との感情的な距離を縮めることは簡単だ。相手に頼ったり、頼られたりすることは居心地がいい。一人になることや拒絶されることをあまり心配しない。
② 相手との感情的な距離を縮めたいが、相手は私が望んでいるほどには近づきたくないと思っていることが多い。付き合う相手がいないと辛くなるが、かといって付き合う人がいると、自分が相手を愛するほどに、相手は自分を愛してくれていないのではないかと心配になる。
③ 親密な人間関係がない方が楽だ。自立していると感じることの方が自分にとっては重要である。他人に頼ったり頼られたりしたくない。
④ 相手との感情的な距離を縮めることはとても難しい。そうなりたいが、相手を信じたり、頼ったりできない。相手が去ったり、裏切ったり、冷たくなったりするなどで、自分が傷つくのが怖い。
◆診断結果やいかに?
①~④はかなり大雑把な愛着スタイルの尺度なので、2つ以上が自分に当てはまることもあるかもしれませんが、まず自分が最初に選んだものに対応するものを参考に読んでみてください。
①安定型(約50%の人に該当)
自分に近しい人に愛され、捨てられることはないと安心感を抱いている。自分や相手をよく思っている。②注目獲得型(約10%の人に該当)
親密な人間関係を心から欲しているが、相手が報いてくれないのではと恐れている。
養育者がほったらかし又は過保護になったりと一貫しない態度を示していた時に形成される。
一貫しない態度、幼児のニーズにこたえないこと、本当の愛情がないことなどは、幼児を不安にさせ、幼児は生き延びるために必要な養育者からの一貫した注目を得るためにどうしたら良いか混乱し、様々な方法を用いて相手の愛情を得ようとする。
相手のことは素晴らしいと思うが、自分の価値には自信がない。③回避型(約25%の人に該当)
親密さを避け、親密さの欠如による恐怖や空虚感に対処するために、「色々な場所に行ったり、やることも多くて忙しく、すべてうまくいっているから、親密な人間関係なんて必要ない」というような言い訳をする。
あまり感情的ではなく、分析的だが、奥底に「面倒をみてもらいたい」気持ちがいくつかのサインとなって現れる。
見守られたい、愛されたいと思う幼児の頃の感情的ニーズや身体的ニーズに両親が応えてくれず、多くのことが抑圧されているので、幼児期の記憶もあまりないことが多い。
回避型の子供時代は、動揺するような状況におかれると、生理的に強い反応を示すが、口では何でもないと言い張り、大人になると、身体的反応自体が封印される。④恐怖型(約15%の人に該当)
慢性的にシャイ、不安で、ふさぎ込みがちで孤独(非HSPの場合は、敵意に満ちていることもある)。
身体的又は感情的な意味で、養育者に全く構われなかったか、危険な目に遭わされたため、おびえている。
親密さを求めつつも拒絶を恐れるという葛藤があるので、行動が混乱しており、乖離していたり、ぼーっとしていたりする。
自分には何かひどいところがあると思いこむ方が安全だと感じ、親密な人間関係を築く際にも、混乱したやり方で、真の親密さを築きにくい。
「敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ。」(講談社)エレイン・N・アーロン著
◆HSPと愛着スタイル
上記の診断からは、安定した愛着スタイルを持っている人は半数で、残りの半数は、何かしらの不安定さを抱えていることになりますが、おそらくこのブログを見ている大多数の方は、不安定な愛着スタイルに該当しているのではないでしょうか。
安定した愛着スタイルを持っている割合は、HSPも、非HSPも同じくらいであると考えられています。
しかしながら、様々な研究から、HSPであることが愛着スタイルに影響を及ぼすことがあると考えられており、安心感を得られない状態で育てられる「敏感な子供」は、大人になってからも慢性的に恐怖心を抱き、不安感、不眠、免疫の低下を招いて、新しい状況に直面した時に用心深く現状確認する傾向が増大します。
HSPという気質自体が様々な情報をキャッチし過ぎて、もともと不安を感じやすい傾向にありますが、それに加えて、幼少期の不安定な愛着関係から、慢性的に恐怖心や不安感が大きく、新しい状況に直面した時に、頭が真っ白になったり、ドキドキして焦燥感を抱きやすい状況を招いているかもしれません。
『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』小田真実