あなたはどっち?~些細な出来事で自己承認力・自己肯定感を高める~

こんにちは。札幌市にある『カウンセリングこころの羽』の岡本です。

最近、札幌中央店で昼食時を迎えることが多いので、同じフロアの共有スペースを活用させてもらうことがよくあります。

そんな時に思わず「えっ?!」と思ってしまうのが、電子レンジの扉の閉め忘れ…

よくあることかもしれませんし、「共有スペースなのに、そんな人いるの?」と思うようなことかもしれません。

あなたは、この場面に遭遇した時にどんな風に感じますか?

「なんてだらしない人なんだ!」と腹を立てますか?それとも…

テナントとして入居している方々が使用する共有スペースです

状況が変わらないなら、自分自身の捉え方を変えてみる

今回のような場面に遭遇した時、本人に向かって「ちゃんと扉を閉めましょうよ」と声をかけることが出来れば良いのかもしれませんが…

私が気づく時には、すでに人の気配は無く…文句を言おうにも注意をしようにも「誰」がやっているのかわからない…

しかも、特定できたとしても本当に「注意」をできるのかは、相手が聞き入れてくれるタイプなのかによっても変わってきそうですよね。

目つきの悪いおじさんだったら、そもそも声をかけにくいです(苦笑)

このように考えると、すぐに状況を変化させることは現実的には難しそうですよね。

それであれば…一度、自分の心の方を変えてみるという方法をとってみることも選択肢の一つです(^^)

自分の心=自分自身の捉え方

と考えると、自分の中に何か傾向だったり価値観のようなものがあることがイメージできるかもしれません。

この自分自身の捉え方は、カウンセリングでは『自動思考』と呼ばれることもあります。

自動思考の主な特徴としては、本人が意識しているわけではないけれど、何かの物事に対して無意識に湧いてくる考え方となります。

例えば、道を歩いていて「犬」に出会ったとします。

この時、犬に対する良いイメージ(可愛い、毛がふさふさ、楽しいなど)を持っている人は「触りたい」「近寄りたい」という気持ちが自然と湧いてくるかもしれません。

逆に犬に対する悪いイメージ(恐い、吠えられる、アレルギーなど)を持っている人は「逃げたい」「離れたい」という気持ちが自然と湧いてくるかもしれません。

このように同じ出来事であっても人それぞれ「自然と湧いてくる気持ち」が異なります。
それを心理カウンセリングの中では『自動思考』と呼んでいるのです。

同じ犬でも人それぞれ感じ方は違うものです。

損をする人、得をする人

同じ出来事でも人それぞれ感じ方が違うのは、前述の「犬」と出会った場合でもイメージいただけたと思います。

では、それを日常の中でどのように活用するか…というと、なかなか具体的な方法がイメージしにくい部分だと思いますので、少しヒントをご紹介しておきます。

今回、私が体験したことを例に説明させていただくと…

「電子レンジの扉が開いたままになっている」という状況。

この日常の些細な出来事の中に同じ出来事でも「損をする人」と「得をする人」の分かれ道が見えてきます…

例えば、扉が開いたままになっていることを見つけた場合、あなたは閉めますか?それともそのまま見過ごしますか?

私の場合は、「扉を閉める」方を選択したのですが、これは「損」でしょうか?「得」でしょうか?

私自身の場合だと…心理カウンセラーの資格取得前の価値観や人生観で考えてみると「なんで自分が人の後始末をしないといけないんだ?なんか損した!」と怒っていたのかもしれません。

それが、今の価値観や人生観で考えてみると「得をした」と感じてしまいます。

何が得なのかというと…

自分がこの状況に遭遇しなければ、他の誰かが嫌な思いをしたかもしれないけれど、その状況を防げた。

他の人だと見て見ぬふりをしたかもしれない場面で自分の中にある正義感のような価値観に合った行動をとれた。

というような「自己肯定」(自己承認)につながる“きっかけ”をつくることができます。

宅配ロッカーが開いていることもありましたが…これもチャンスですね(笑)

自己肯定感とは…

自己肯定感を別の表現に変えると『セルフイメージ』です。

セルフイメージは、自己肯定感が低い場合には「私はダメな人間だ」「私は、誰からも愛されていない」「私には問題を解決する力はない」といったネガティブなとらえ方が多くなる場合があります。

それに対して自己肯定感が高い場合のセルフイメージは、「私は頑張っている」「私は人を愛し、愛されることができる」「私は何でもできる」などのポジティブなとらえ方が多くなる傾向にあります。

もちろん、ネガティブだからダメ。ポジティブだから素晴らしい。という単純な話ではなく、セルフイメージを高く保っている方が気持ちが楽になりやすいという一種のテクニック的なものなのかなと私は考えています。

仮に自己肯定感が高いセルフイメージを持っていても、それを他者にそのまま伝える義務があるわけではありませんので、極論で言うと「自己満足」でOKなのだと思います。

私自身の場合、20代の頃には低過ぎるセルフイメージを無理やり高めようとして、「自分は何でもできる」「自分は凄い人間だ」などと自己暗示をかけてしまったことがありました。

この時、「行動が伴っていない」(根拠がない)のに自己肯定をし続けた結果、周囲の人間関係が悪化することを体験しました。

このパターンは、失敗例です(苦笑)

セルフイメージが高くなったからといって、ある日突然、何でもできる人間に生まれ変わるわけではありませんが、セルフイメージが低い状態で行う判断や行動は、本来持っている能力を発揮できない可能性もあるのです。

根拠のない自信や自己承認(自己肯定)だと上手くいかないことも…

根拠のある自信を手に入れるためには…

根拠がある自信を手に入れるためのヒントは、「具体的な行動」です。

これは、周囲の全員から賞賛されるような大きな出来事である必要はありません。

自分では正しいことをしたと思っているけれど、周囲に話すほどではないな…くらいのものでもOKなのです。

些細な行動。小さな善行を自分自身を肯定すること…自分自身を褒めることに活用していく。

これこそが些細な出来事で自己承認力を高めるための重要なポイントになります。

大きな成功を毎日体験することは少し難しいかもしれませんが、小さな成功を見つけることはそれほど難しいことではないかもしれません。

今回の私の体験のような「開いたままになっている電子レンジの扉を閉めた」で良いのです(笑)

その時に「だらしない奴がいるな(怒)」と思うのではなく、「人の役に立つきっかけになったな」「見て見ぬふりをしなかった自分って偉いな」と思うことで結果的に楽しい日常に一歩近づくのかもしれませんね。

同じような理由で、共有スペースをカウンセリングルームを掃除するついでに綺麗にしたり、買い物に行ったスーパーの駐車場に落ちていたゴミを拾ったりということを積極的に行うようにしています。

これは、他人からどう見えるかということよりも自分自身が「自己肯定」(自己承認)するきかっけを意識的に作ろうという考えの結果です。

他人から褒められることも確かに嬉しいですし、大切なことなのですが、自分自身で自分のことを褒めてあげることは手軽なうえに効果的な方法ではないでしょうか。

あなたは、日常の中で自分自身のこと、どれくらい褒めていますか?

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岡本教兵