その悩み、「治そう(直そう)」としていませんか?

こんにちは。札幌市にある『カウンセリングこころの羽』の岡本です。

カウンセリングの仕事をしていると「自分を変えたい」という希望を持っている方に出会う機会が多くあります。

私自身も以前は、「自分を変えたい」「自分が嫌い」と考えることも多く、そのこと自体も大きなストレスだったように感じます。

10代~20代は、そのことが自分にとっての重要なテーマでした。

自分を変えたい人と自分を変えたいと思わない人の違いは…

自分を変えたいと考える場合に共通しているのが「自己肯定感」の低さです。

もちろん、「自己肯定感が低いから悪い」「高いから偉い」というような単純な話ではありませんし、自己肯定感が低くてもストレスと上手く付き合って幸せに生きている方も沢山いらっしゃいます。

その一方で、「自分を変えたい」「自分のことが嫌い」と考えて自分でストレスを大きくしてしまう場合があることもまた事実です。

本来であれば、「自分を変えたい」という気持ちは、努力をすることや常に改善を意識するなどプラスに働く可能性がある考え方です。

それが、適度であれば「プラス」に働くのですが、行き過ぎてしまうと自分自身を窮屈にしてしまう、自分自身を苦しめてしまうことにつながります。

カウンセラーという仕事を通じてお会いする方は、皆さんそれぞれに素敵な部分、魅力的な部分を持っていると感じます。(お世辞ではなく、本気でそう思います。)

その反面、ご本人は、その魅力に気付いていない。

「自己肯定感」を向上させるときに難しいのが、どれだけ優れていることでも「本人」が認めない限り「自己肯定」にならないということ。

例えば、仮にスポーツの世界で「金メダル」をとったとしても本人が「満足」「納得」していない限り、「自己肯定」には繋がらないのです。
客観的に見ると「金メダル」=「凄いこと」となるのですが、本人がそこを受け入れない限りは、「自己肯定感」は向上していきません。

あなたにはあなたの色があって良いのではないでしょうか?

治したい(直したい)と思っているうちは…

自己肯定感を向上させていくためには、自分に対してのセルフイメージを変化させていくことが必要です。
そのための第一歩が言葉の使い方だと感じています。

例えば、何か欠点、短所があったときに「治したい(直したい)」という言葉を使うことがあります。
この言葉を使う場合、「(自分には欠点があるから)直したい」「(自分は病気だから)治したい」という自分に対するネガティブなイメージが土台になっていることが多くあります。
この状態だと「改善」を望めば望むほど、「理想とは違う自分」「欠点がある自分」「病気の自分」を繰り返し繰り返しイメージすることに繋がってしまいます。

そうすると、人の「脳内」でどうなるか…

「そうか私は◯◯という欠点を持っている人間なのだな。◯◯という欠点をしっかり覚えておこう」と無意識に「悪いセルフイメージ」を定着させていくのです…。

この状態を防ぐために大切なのが、「付け足す」という考え方。

今の自分の欠点を直す(治す)=変化させるのでは無く、新たに付け足してあげれば良いのです。

新たなスキル(考え方)を付け足すことで上手くいくことも…

例えば、料理をしていて「みそ汁」を作っていたとします。

何かの手違いで「味噌」を多く入れてしまって塩辛くなった場合、あなたは、どうしますか?

一生懸命、すでに溶けている味噌を取り除くことに力を入れるでしょうか?

この場合は、「水」を足す。が正解ですよね?

これと同じように自分自身の中に何か問題を見つけたときに、それを「取り除く」ことに力を入れるのは、すでに溶けている味噌を取り除こうとしているようなものです。

こういった考え方は、育った環境などで自然と身に着けている方もいらっしゃいますし、今まで触れてきていない方もいらっしゃいます。

「知らない」のであれば、「できない」のも当たり前なのです。

逆に言うと…「知ること」ができれば「できるようになる可能性は十分にある」と私は考えています。
「考え方」や「自分のコントロール方法」は、精神論ではなく技術なのではないかと心理学や脳科学を学べば学ぶほどに感じます(^^)

感情のコントロールや価値観は、一つの「スキル(技術)」なのかもしれません。

“今”の自分を受け入れる

上手く「付け足す」ためのポイントは、今の自分を受け入れることです。

「変えよう」と思わなくて良いんです。

今の自分は、今の自分で仕方ない。

これまでの行動の積み重ねが今の自分を作っているとしたら、これからの行動=今の行動の積み重ねが未来の自分を作っていくはずです。

今の自分の良い部分を増やしていく。

そして、必要に応じて新たな自分を付け足していく。

そう考えるところから本当の意味での「変化」は始まるのかもしれません。

あなたは、今の“あなた”を受け入れていますか?

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岡本教兵