HSPとの向き合い方〜心理カウンセリング視点で考える日常〜

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岡本です。

先日、テレビ番組でHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)特集があったことによって、私たち『カウンセリングこころの羽』のホームページでもHSP関連のブログ記事に注目が集まっております。

私の場合は、妻がHSPに当てはまる傾向を強く持っているため日々の生活のなかでも身近に感じたり、サポートさせてもらう機会が多い立場ですので、テレビ番組内で紹介されていた方法も「なるほど」と思う部分や「確かに」と納得する部分が多くあり非常に印象に残るものでした。

『カウンセリングこころの羽』としては、これまでもHSPに関する基本的な考え方や向き合い方をご紹介してきましたが、今回は、現実的な“生活”におけるポイントと心理カウンセリング視点でのHSPとの関わり方、向き合い方を3つご紹介させていただこうと思います。

遊んでいる子供-HSP傾向のイメージ

◆HSPを“治そう”としないことの大切さ

まず、非常に大切なポイントとしてHSPという傾向を「治そう」としないことです。

これは、当たり前と言えば当たり前ですし、意外と言えば意外に聞こえるかもしれません。

そもそも「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」は、病気ではありませんし、障害でもありません。

このことは、当HPに掲載している「カウンセリング事例|HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」内でもご紹介していますが、HSPとは感覚などにおける傾向性を持っている方々を表現する言葉です。

そして、このこと自体に「優劣」があるわけでもありません。

これは、心理カウンセリングにおける『パーソナリティ理論』という考え方の「気質」=「生まれながらに持っている傾向、性質」に当てはまるものということになります。

心理学-パーソナリティ理論-カウンセリングこころの羽

その一方で、HSP傾向を持っている方の場合、「ストレス」を感じやすいという傾向があります。

様々な感覚が敏感だからこそ、小さな変化が大きなストレスになったり、日常の中にある生活音にも驚いてしまったりすることでストレスが溜まりやすいという傾向になるのです。

「治そう」とすることにより「なかなか治らない」「なんとかしなきゃ」という焦りを感じてしまい…結果としてそのこと自体が「ストレス」になる。

このような状況を避けることもHSPという傾向による負担を軽減するための大切なポイントになります。

HSPの理解者のイメージ-手を繋ぐ親子

◆HSPを“理解”されることの“安心感”

HSP傾向を持つ方々にとって最も辛い場面は、周囲の理解を得られないときではないでしょうか。

例えば「そんなの考えすぎでしょ」「え?そんなに驚くこと?」「神経質なんじゃない?」などと言われてしまうと自分自身が否定されているような気持ちになり、「ストレス」を強く感じるかもしれません。

また、上記のような“否定的”表現を受けると人と関わることが“苦痛”となり、一人でいることを好む傾向が強くなるかもしれません。

もちろん、このこと自体が悪い傾向だと言うつもりは全くありませんのでご安心ください。

一人でいることを「楽しい」と感じて選んでいるのであれば、それでOKだと思います。

その一方で、本当は誰かと一緒にいたいけれど、一人でいた方が楽だから…と孤独な道を選んだり、結婚などをしていてパートナーがいるけれど自分の気持ちは理解してもらえない…と感じると、とても辛いものですよね。

このような状況を避けたり、軽減するために大切なことは「理解してくれる人」ではないでしょうか。

それは、時には家族だったり…友人だったり…恋人だったり…
場合によっては、心理カウンセラーもその選択肢の一つかもしれません。

HSPという傾向を持ったことにより、これまでの人生や生活で孤独感を味わった…という方は、「理解されること」を是非一度でも体験していただきたいと感じます。

「誰からも理解されていない」「誰からも理解されることはない」と感じている状況と「少なくともこの人には理解してもらえている」と感じる状況は、本当に大きな違いがあると思います。

もちろん、理解してもらうためには、相手にもHSPの傾向について知ってもらう必要もあるかもしれませんし、何より“あなた”という人に興味を持ってもらう必要があるかもしれません。

これは決して低いハードルではないと思いますが、それでも乗り越えた時に得られるものは非常に大きなものだと思います。

「自分では、どうしたら良いか分からない」「うまく説明できない気がする」「相手が聞く耳を持ってくれない」と感じる場合には、心理カウンセリングの家族カウンセリングやカップルカウンセリングを活用していただければ、心理カウンセラーからHSP傾向に対する説明や上手な環境づくりについてお話することもできますので、お気軽にご相談してみてください(^^)

HSPを活かすイメージ-ハートの形の木

◆HSP傾向を楽しむ&活かす視点

HSP傾向をお持ちの方々と関わるなかで非常に“実感”していることとして、「非常に能力が高い」ということがあります。

あまり身内を褒めてしまうと賛否両論が出てしまうかもしれませんが…

私の妻の場合も学生時代から絵画のコンクールで優秀賞をとるなど、芸術面での才能を発揮したり、日常生活のなかでも私が気付かないような部分にいち早く気づいて素早く対処してくれたりと非常に素晴らしい能力を持っていると感じます。

その一方で、ちょっとした物音に「ビクッ」となっている姿を可愛らしいな…と感じたり、目線が合っている状態で近付いているのに驚かれたりするとちょっと面白いなと感じたり日々の生活のなかでは私にとって「ちょっとしたスパイス」になっているなと思います。

個人的には、これらは非常に微笑ましい姿であり、彼女の魅力の一つになっていると感じるのです。

もちろん、これらは「バカにしている」わけではありませんし、「自分より下に見ている」というような感覚でもありません。

日常生活のなかにHSP傾向を持っている方がいることで、良い意味で非常に刺激的な毎日を過ごすことができるのではないかと感じます。

もちろん、このように感じるためには、HSP傾向を持つご本人やその周囲の人々が「受け入れること」がとても大切です。

否定的に捉えている状態の延長には、「楽しむ」という発想は生まれないのではないかと思います。

繰り返しになりますが、心理カウンセラーという立場で考えてもHSP傾向を持つ方々は、非常に優れた能力を持っていると感じます。

HSPは人口の15〜20%の方にある傾向だとも言われていますが、他の人にない能力を持っている…という視点で考えてみると日常生活や仕事でも活かせる場面は、意外と多く見つかるのではないでしょうか。

自分自身では見つけられない…と感じる場合には、『カウンセリングこころの羽』に限らず心理カウンセリングなどのサービスで自分と相性の良いサポーターを見つけて、HSP傾向の活かし方、楽しみ方を見つけていくことも選択肢の一つではないかと思います(^^)

実際にHSP傾向を持つ方と結婚生活を送る立場としても様々なことを敏感に気付くことができる能力は非常に素晴らしいものだと感じます。

その一方で、そのこと自体がストレスなどの負担を過剰に生み出しやすいこともまた事実…。

この「ストレス」との付き合い方を身につけていくことができるとHSP傾向を持つ方々は、「本当の実力」を発揮できるのではないでしょうか。

HSPに限らずですが…
あなたは、自分自身の傾向を正しく把握していますか?

自分自身の傾向をうまく活かせていますか?

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岡本教兵

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