山内のコンプレックス克服奮闘記③~20代編・後編~

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の山内です。

先日の猛吹雪はすごかったですね!

街中でホワイトアウトを経験するとは思っていなかったので、悲惨な気持ちでしばし立ち尽くしていましたが、同じように立ち尽くしている方と『ひどい天気ですねー!!』と叫び合っただけで、ちょっと笑えて元気が出てきました。

感染を気にせず交流できるようになる日が待ち遠しいですね。

さて、今回も、自分肯定感が低いことに悩んでいた20代の私の体験談について書かせていただこうと思います。

「井の中の蛙大海を知らず」ということわざがありますが、初めての海外生活は、私にとってまさしく、良い意味でショッキングで、視野の広がる体験でした…

骨と皮じゃん

前回、カナダ人大家さんと同居していたとお話しましたが、その大家さんと何気ない会話をしている時に、私が「太っていて自分の体型が嫌い」と言う悩みを打ち明けたことがあるんです(ちなみに現在よりも10キロ以上当時は重かった私です)。

「日本で“フリーサイズ”の服を買ってきたら、初日に脇に穴が空いちゃって」という“ぽっちゃり自虐ネタ”を披露した私に、大家さんから予想もしない反応が返ってきました。

それは、「え!?どこが太っているの??君…骨と皮じゃん!!」という言葉でした。

最初は耳を疑って、この人なんてひどい嫌味を言うんだ!と思いましたが、目を丸くしているその表情があまりに真剣だったので、どうやら嫌味ではなさそうなのでした。

後日、近所の洋服屋さんに行った際、試着してちょうどよかった服のタグを見たらサイズが “S” だったので、「この国では私はSサイズなんだ!!」と驚くとともに、“骨と皮”はさすがに大げさでも、大家さんの目には私が “細身” に映っているのかも…とようやく思えてきました。

そして、日本で喉から手が出るほど欲しかった「華奢な体型」という称号(?)を、ダイエットもせず、ただ飛行機で十数時間移動しただけで簡単に手に入れられたことに、嬉しいような虚しいような…不思議な感覚を覚えました。

それは、自分がとても狭い視野でしか世の中を見ていなかったことに気がついた瞬間であったようにも思います。

こうして、念願の “華奢体型” を手に入れた私は、これまで興味を失っていたオシャレにも興味がわき、自分の外見を磨こうと時間を割くようになりました。

気になる相手に想いを伝えることも、ようやくできるようになり、遅れてきた青春を満喫しながらあっという間に一年間が過ぎて行きました。

皮肉にも、滞在後半は貯金も底をついてきたので、食費を削って文字通り“骨と皮”に近付いて帰国した私は、再び実家に戻り、今度こそ定職につくべく、就職活動を始めます。

溜まる不採用通知。それでも…

すっかり自信がつき意気揚々と帰国した私ですが、その後の就職活動の結果は惨憺たるものでした。

「一年間海外で過ごして身についた語学力」というだけでは、語学力+専門的な知識や突出したスキルのある応募者には到底敵うはずもなく、ことごとく「採用を見送り」されたのです。

不採用通知の文面の「山内様の今後のご活躍を心より…」という優しいお気遣いが余計に傷口にしみて、「むしろ『貴方なんか不採用ですよーだ、やーいやーい』って書いてくれたら、御社を嫌いになれて楽なのですが…」と真剣に思っていたのを、昨日のことのように思い出します(笑)

そうして、一度上がった自己肯定感が再びガクンと下がってしまった私は、またしても、「就職活動が怖い」という心理状態に陥り、半年ほど実家に引きこもることになるのですが…今回は一つだけ、大きく異なる点がありました。

それは、「今はうまくいっていないけれど、場所や状況が変われば、私を肯定してくれる人はきっとどこかにいるはずだ」という自信が、心の底にあった、ということなんです。

留学中に、自然体の自分でいるだけで褒めてもらえた経験が、小さいけれど決してゆるがない自信を、私の心に植えつけてくれたんだと思います。

そうして、「帰国後すぐに憧れの仕事へ」とはいかなかった私の就職活動ですが、フリーター、派遣社員と段階を経て、英語を使う部署での仕事に最終的には就くことができ、親元を離れて独り立ちする、語学力を活かして働く、という夢も、遅ればせながら叶えることができました。

果たしてコンプレックスは克服できたのか!?

これでめでたし、めでたし、のような今回のブログですが、ここまで読んでくださった皆様は、これで山内がコンプレックスをめでたく克服した、と思いますでしょうか?

…答えは、NOです!!

何だよ!克服のヒントになると思って読んだのに!というお叱りの声が聞こえてきそうですね…

実は、こうして自己肯定感が上がった後も、自分の外見や性格についてのコンプレックスは、完全に消え去ったわけではないんです。

結論からいうと、心理学を学び、心理カウンセラーとなった今でも、コンプレックスは、しっかりあります!

今でも、道を歩いていて向こうから歩いてくる女子学生さんたちが、すれ違いざまに急にキャハハと笑いだしたりすると、中学生時代の記憶が蘇るのか、「私のことを笑っているのかな⁉︎」「服装とか、どこか変かな!?」と少し狼狽えてしまうことも、たまにではありますが、あるんです。

ですが、今はそれが大抵の場合勘違いや気にしすぎであることを知っているので、一瞬狼狽するだけで済みますし、たとえ本当に私を見て笑っていたとしても、(ちょっとはショックですが)、今はそれなりに自分の外見も気に入っているので、平気なのです。

次回は、コンプレックスとの付き合い方について、成功例と失敗例をご紹介させていただきますね。

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』山内彩子