カウンセリング事例|アダルトチルドレンでお悩みの場合

カウンセリング事例について

この『カウンセリング事例』のカテゴリーでは、様々なお悩みの対して『カウンセリングこころの羽』ではどのようなサポートが受けられるのかをご紹介させていただきます。

実際のカウンセリングでは、ご相談者さまごとに個別のサポートを担当する心理カウンセラーと一緒にサポート方法を決めていく流れとなります。

一つの参考例としてご一読いただけますと幸いです。

※このカウンセリング事例でご紹介する内容は個人のご相談者さまの具体例をご紹介しているわけではありません。

年間千件を超えるカウンセリング事例の中から『こころの羽』としてのサポート事例としてまとめて記事を作成させていただいております。

ご相談内容がウェブ上や他の相談者さまへ公開されることはありませんので、ご安心くださいませ。

アダルトチルドレンの場合

アダルトチルドレン(以下、AC)という言葉自体は、心療内科や精神科病院などで「診断」に使用される病名・診断名ではありませんが、インターネットやスマートフォンが普及した現代では、ご自身で調べて「自分はアダルトチルドレンではないか?」と悩んでいらっしゃる方も多くなっているように感じます。

「アダルト・チルドレン」という言葉から連想して、“大人になりきれていない大人”や“子供っぽい大人”という解釈をしている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、育った環境(家庭環境)の中でトラウマ(心的外傷)になるような出来事を体験し、その影響から成長した後にも人生や生活の中で不自由さや不便さを感じる人たちのことを表した言葉です。

アダルトチルドレンという考え方が生まれたのは、「Adult Children of Alcoholism(アダルト チルドレン オブ アルコーリズム)」=「(訳)アルコール依存症の親を持つ子供達」だと言われており、1970年代にアメリカで提唱された概念になります。

木のテーブルに置かれたアルコール

AC傾向を持つ方の特徴

1.「これでいい」という確信が持てない(何が正しいのかわからない)
2.物事を最初から最後までやり遂げることが難しい
3.本当のことを言ったほうが楽なときでも嘘をついてしまう
4.自分自身に対して情け容赦なく批判を下す
5.楽しむことがなかなかできない
6.まじめすぎる
7.他人と親密な関係を持つことが大変難しい
8.自分にコントロールできないと思われる変化に過剰に反応する
9.他人からの肯定や受け入れを常に求める
10.自分は人と違うといつも考えている
11.常に責任をとりすぎるか、責任をとらなすぎるかである
12.無価値なものとわかっていても過剰にこだわり続ける
13.衝動的である。他の行動が可能であると考えずにひとつのことに自らを閉じ込める

ジャネット・ウォイティツがまとめた「ACの特徴」より

幼少期のトラウマについては、「虐待」や「育児放棄」などの辛い体験をした可能性も含まれますが、変化が大きい現代においては、親の価値観が偏っていた場合や愛情の強さからくる「過干渉」と呼ばれる状態が重なった場合にも似たような心理状態になる可能性があるのです。

また、ACに関連する悩みをお持ちの場合、心療内科や精神科病院などでのお薬の処方が「根本解決」になるケースは少なく、お薬で傾向や症状を抑えることができたとしても苦しい気持ちや辛い気持ちが残ったままになってしまう可能性が考えられます。

アメリカでは一般的なカウンセリング

カウンセリングによる具体的なアプローチ方法

カウンセリングや心理療法によるアプローチの場合は、ご相談者さまに無理のない範囲で少しずつ幼少期のお話や家庭環境のお話を伺うところからサポートはスタートしていきます。

ACに関連する内容を検索したり勉強すると「インナーチャイルド」という言葉が出てくることがありますが、私たち『こころの羽』では、「インナーチャイルド」=過去の体験(潜在意識)という解釈でサポートさせていただくことが多くあります。

ACに悩んでいる方の場合、今現在「判断」を迫られている状況に過去の体験(とくに幼少期の体験)から作られた「価値観」を基準にすることが多い傾向にあります。

これは心理学でいうところの「自動思考」や「認知の歪み(にんちのゆがみ)」と呼ばれるものですが、本来であれば“今現在の自分”にとっての価値基準で選択するべきところで“過去の自分”の価値基準で判断をすることで「失敗した」「上手くいかなかった」と感じる結果に繋がってしまうのではないかと思います。

この状況に陥っている場合、「同じ失敗を繰り返す」「分かっているけれど上手くできない」「いつも恐くて(特定の状況から)逃げてしまう」という傾向が強くなる可能性が考えられます。

ここで重要なポイントは、自分自身の「判断基準」(価値観)が過去のどのような体験で作られたのかを把握することだと『こころの羽』では考えています。

「把握したら、どうなるの?」という疑問の声が聞こえてきそうですので、少し補足させていただくと…

自分自身の価値観に気づくと…

人の心は「認知」と呼ばれる本能的な感覚(深層心理に近いもの)と「判断」と呼ばれる理性的な考え(表層心理に近いもの)の2つの「考え」を持っています。

とくに「認知」に関しては、何かを見たり聞いたりした直後(0.2秒後)には、頭の中(心の中)に生まれているため、基本的に「ごまかし」が効きません。

「嫌なものは嫌」「好きなものは好き」なのです。

ただ、それだけで行動をとってしまうと大変なことになってしまいそうですよね…。

ここで「判断」が登場します。

この「判断」は、脳の中でも前頭葉と呼ばれる理性的な考えを管理している部分が影響します。

“気持ち”(認知)の段階で「好き」「嫌い」と感じた状況に対して、冷静な情報分析で実際にどのような行動をとるかを調整してくれるのです。

心理カウンセラーとのカウンセリングを通じて自分自身の価値観に気づくことで、それが「認知」なのか「判断」なのかを客観的に考えるきっかけになります。

そこを把握した上で、「なぜ」その判断が必要なのか(必要だと思ってしまっているのか)、「なぜ」そのことを「好き」や「嫌い」と感じているのかを一緒に考えていきます。

そうすることで今までは気づいていなかった視点や他者の価値観を知ることにつながり、結果として「今の自分にとって適切な行動」をとれる確率が上がってくる…という流れです。

カラフルな色鉛筆-人それぞれの個性

どれくらい時間がかかるの?

これは個人差がある部分ですので一概には言えないのですが…「どれくらいの期間をかけて身につけた価値観なのか」「その価値観に対して、今、どれくらい問題意識を感じているか」によって必要な時間は変わってくるのではないかと思います。

幼い頃の体験でAC傾向が強くなっている場合は、少しずつ過去の出来事や体験を振り返り、心理学や脳科学、心理カウンセラーの目線など自分自身とは違った角度から振り返ってみる。

そして、現在の状況が「辛い」と感じる状況であれば、この振り返りが「心を軽くする」ターニングポイントになる可能性があります。

また、過去の体験を振り返るアプローチと同時に今現在の環境の中で感じている「ストレス」を自覚し、一つずつ解決(軽減)していくことで気持ちや考え方が変化しやすくなることが考えられますので、カウンセリングの中で日常的なストレスや不安をお話いただき、メンタル面のサポートをさせていただくことで少しずつ変化を実感する機会も増えていくかもしれません。

実際にカウンセリングを利用いただく方の場合、1回のご利用で傾向性を把握して自分自身でトレーニングを重ねていくタイプの方もいれば、数回のご利用の中で根本的な原因や自分自身の本心に気付く方もいらっしゃいます。

心の問題や課題は、解決が早ければ優秀。遅ければダメ。という「正解」があるわけではありませんので、まずは焦らずに向き合ってみるところから初めてみることをオススメいたします。

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』