うつ病やうつ状態になりやすい人となりにくい人の違いは…~心理カウンセリング目線で考えるメンタルケアのヒント~

こんにちは。札幌市にある『カウンセリングこころの羽』の岡本です。

6月に入ったものの寒い日も多く、体調を崩している方も多いように感じますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

例年であれば、いわゆる「5月病」の時期も落ち着く頃なのでしょうが、今年は、年明けから衝撃的な出来事が立て続いたこともあってか、6月に入ってからも調子が回復しない方も少なくないように感じております。

そこで、今回のブログでは、メンタルケアのヒントとして「うつ病やうつ状態になりやすい人となりにくい人の違い」についてご紹介していこうと思います。

冒頭では、うつ病に対する考え方や基本的な知識の確認を掲載していますので、今回のタイトルである「うつ病やうつ状態になりやすい人となりにくい人の違い」を早く知りたい!という方は、後半から読み進めてみてくださいね。

膝を抱える

そもそも『うつ病』って…?

このブログをご覧いただいている方には説明不要かもしれませんが、前提条件のすり合わせとして少しだけ『うつ病』についても書かせていただきますね。

カウンセリングをご利用いただくご相談者さまは、お仕事や人間関係、過去の出来事や未来への不安など様々なお悩みやストレスを抱えてお越しいただくことが多いのですが、なかでも『うつ病』は自覚しているか無自覚かは別としても該当する方の多い症状といえます。

厚生労働省のHPに掲載されている文章を引用させていただくと…

うつ病は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気だと考えられています。これらの神経伝達物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものなので、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまいます。
ですから、うつ病は決して怠けているわけでも、気の持ちようで何とかなるものでもありません。しかも、うつ病は日本人の約15人に1人が一生のうちにかかるという非常にありふれた病気です。早めに適切な治療を受けることが必要です。

厚生労働省HPより

このように一昔前だと「気の持ちよう」「心が弱い人がなるもの」と思われてしまうことも少なくなかった『うつ病』も今現在は「脳の病気」であると認識されることが多くなっています。

実際に「うつ病=こころの風邪」と表現されることもあるように誰でも体験する可能性のあるものである一方で、「風邪」の大変さとは比較にならないほど辛い経験、体験をする方も多い病気とも言えます。

認知療法をしているご相談者様

『うつ病』と『うつ状態』『うつ傾向』の違いや使い分けは?

ここについては、心理カウンセラーでも個人によって定義が異なる部分もあると思いますし、もしかすると精神科の医師や心療内科、メンタルクリニックの医師でも「わかりやすい表現」と「正しい表現」が一致しない状態で使用される場面もあるかもしれませんので、今回のブログでは、私自身が意識している使い分けについてご紹介させていただきますね。

『うつ病』

私が『うつ病』と認識したり、表現するケースは、医師から『うつ病』と診断を受けた場合です。

心療内科や精神科、メンタルクリニックの医師も個人的な感覚で「はい、あなたはうつ病」「あなたは、まだうつ病じゃないね」などと診断しているわけではなく、『ICD-10』や『DSM-5』といった精神医学の基準書の情報や内容を基に決定していきます。

何か一つでも条件に当てはまれば『うつ病』というわけではなく、複数の基準に当てはまる場合、心理的、身体的な症状が2週間以上など長期間続いている場合に『うつ病』と診断されることになります。

『うつ状態』

次に解説させていただくのが『うつ状態』という表現です。

私は、ご相談者さまが体験している症状が『うつ病』に近いものの医師から診断を受けていない場合には『うつ病』ではなく『うつ状態』かもしれませんねという表現を使わせていただくことが多くなります。

『うつ傾向』

こちらも『うつ状態』と同様、医師の診断を受けていないケースで使用させていただく表現です。

ここからは、私のなかで意識している使い分けなのですが、気持ちの落ち込みや『うつ』特有の思考パターンなどがどの程度の期間続いているのかを意識して表現を変えています。

例えば、失恋や身内の不幸、職場や学校の人間関係の悪化などにより「最近(この1週間程度で)、辛くなった」というお悩み相談であれば、『うつ傾向』かもしれませんねと表現させていただきますが、「〇年前からずっと辛くて、日々、死にたいと思っている…」というお悩み相談であれば、『うつ状態』だと考えられるので…と表現させていただくことになります。

具体的なアドバイスや対処方法についてお話したり、さらに詳しいお話を伺ったりという実際のサポートの手厚さに差をつけるというわけではありませんが、一時的と考えられるものなのか、慢性的と考えられるものなのかで心理カウンセリングの必要な回数や最適な心理療法を検討するなど適切なサポート方針については最善のものを選ぶように意識しています。

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心理カウンセラーが考える『うつ病』『うつ状態』になる原因は…

ここまで『うつ病』や『うつ状態』に関する解説が長くなってしまいましたが…

うつ病、うつ状態を「結果」と考えるのであれば、そこには「原因」が存在します。

ただ、ここで難しい問題になるのが、骨折や身体的な病気のように目に見える症状があるわけではないのが精神疾患やメンタル分野の特徴です。

こころや身体にあらわれている症状は、「明確」なこともありますが、その「原因」となると十人十色であり、それぞれの育った家庭環境や体験してきたことが全員異なるため、非常に奥が深く、難しい問題であるといえます。

原因を考える専門家は精神科医ではない!?

ここで少し余談ですが、よく「心療内科やメンタルクリニックなどの病院」と「カウンセリングルーム」の役割の違いとして話題にでるのが、心理系、精神科系の医師は「話を聴いてくれない」ということです。

誤解のないように補足しておくと、私自身、心療内科や精神科の医師と争うつもりも否定するつもりもありませんので、ここでは医師と心理カウンセラーである我々との立場や役割の違いについて書きますが…

医師の役割は、「病気」の症状を緩和したり、日常生活に支障がない程度の回復を促すための治療を行うことです。

その手段として、主にお薬の処方を行うことになるのですが、その際に医師と会話する機会があり、患者さんとしては、「もっと話を聴いてくれると思ったのに、全然聴いてくれなかった…」「初回は親身になって聴いてくれたのに、2回目以降は薬が効いているかの確認しかしてくれない…」という悲しい気持ちになることが生じやすいといえます。

ここでちょっと別の場面を想像していただきたいのですが…例えば、風邪をひいたときに「内科」へ通院したとします。

その時に、「どうして風邪ひいてしまったのかな?」「今後、風邪をひかないためにどんなことを気をつけたら良いと思う?」などと質問されたことはあるでしょうか?

ちなみに私はありません(汗)

ここから考えると…現在悩んでいる症状に対して「原因」の話をすることも、原因が何なのかを一緒に考えるのも医師の役割ではないと考えることができます。

むしろ、「原因」を考えたり、再発防止に対するアドバイスをするのは、心理カウンセラーの役割だと私は考えていますので、こころに関するお悩みで「原因」や「再発防止策」を知りたいと考えている方は、是非、私のカウンセリングをご予約くださいね(^^)

絶対に原因を見つけます!とは言い切れませんが、最善を尽くしたサポートはお約束いたしますm(_ _)m

原因は十人十色、様々ですが…

話を戻して…『うつ病』や『うつ状態』の原因の話をしましょう。

前述の通り、状況やその人の価値観などによって、本当に原因は様々なのですが、共通するポイントはあります。

一つは『ストレス』です。

「そんなの当たり前じゃないか!」という声も聞こえてきそうですが…(苦笑)

ここで声を大にして言いたいのが、心理カウンセラーが意識している『ストレス』は、一般論的な『ストレス』とは少し違いますよということです。

人がストレスを感じる仕組みの代表例としては、「コルチゾール」と呼ばれるストレス物質が血中に増えることで体の様々な変化や脳内物質の種類を切り替えてしまうというものがあります。

一般的にはショックな出来事や嫌な出来事があるとストレスが増えると考えることが多いと思いますが、心理カウンセラーの目線から考えると悪い出来事だけではなく良い出来事だったとしても「変化の大きさ」=「ストレスの大きさ」と認識します。

この「変化」というのは、自分ひとりで考えていると見落としてしまうことも多く、その結果、「こんなことで、こんなに落ち込んでしまうなんて自分は弱いんじゃないか…」といった自己否定的な考え方につながってしまい、悪循環に陥っていくというものです。

また、心にかかるストレスだけでなく、身体の負担としてのストレスも実際には大きく影響していくことになりますので、ご相談者さまご本人が自覚しているストレスだけでなく、無意識、無自覚なストレスにも注目することで症状や悪循環傾向の改善を目指していくのが心理カウンセリングの役割なのです。

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うつ病やうつ状態になりやすい人となりにくい人の違い

ここでようやく今回のブログのテーマに触れていこうと思います(^^;

一般論的な「真面目な人がなりやすいですよ」とか「完璧主義者の人がなりやすいですよ」のような表面的なお話を書くつもりはありません。

恐らく、そういったお話については、このブログに辿り着く前に既に読んでいらっしゃるのではないでしょうか。

ここまでだいぶ回り道をして説明してしまったので、ここは敢えてストレートに表現してみようと思いますが、注目するポイントは“脳疲労”です。

ひとの体には条件反射や防衛本能などなど、無意識で働く機能がたくさん備わっています。

そういった本人は自覚していないけれど、脳のエネルギーを消費する行動や環境についても心理カウンセラーは注目しています。

とくに何か一つの出来事だけがうつ病や不安障害などのメンタル疾患につながるというわけではなく、同系統の負担が複数重なったときに不調につながることも多く、心理カウンセリングの会話のなかでそれらの要因を把握、ご相談者さまにとって負担の少ない変化を意識しながら改善の糸口を見つけていく…

これを実際の心理カウンセリングのなかで心理カウンセラーは考えていくことになります。

脳疲労が発生しやすい状況は?

今回は、この脳疲労が発生しやすい状況についても注目してみましょう。

例えば、職場の人間関係ですれ違いなどがあって「人の気持ち」について考えることが多かったとします。

そこにプライベートの恋愛関係、恋人関係でも気持ちのすれ違いが生じてしまい、失恋をしてしまったとしたら、「人の気持ち」を考える部分の脳の負担が重なることになるので脳の処理容量がキャパオーバーになってしまう…これが、『うつ傾向』を生み出す要因となる可能性が考えられます。

この段階では、まだ“一時的”な状態と考えることができますが、この負担が偏った状態が長く続いてしまうと慢性的に症状を感じるようになる『うつ状態』、医療機関での診断を受けると『うつ病』となることも考えられます。

脳疲労を軽減するには?

脳疲労を軽減するための方法としては、「休むこと」を想像する方が多いかもしれません。

これは、本質的な意味としては、大正解なのですが…実際にできるか、できているかというと「体を休ませること=休むこと」になっている方が多く、脳疲労の軽減につながらない場合も多くあります。

人の脳の特徴として、機械の電源をOFFにするように機能を一時停止することはできませんので、身体が休んでいても結局は頭の中でぐるぐる考えてしまうと休めていないことになります…。

つまり、脳疲労を軽減するためにはコツがいるのです。

脳疲労を軽減するためのコツとしては、普段、よく使っている脳の機能とは別の部分を意識的に使ってあげることが重要です。

前述の「人の気持ち」を考えることをお仕事の間にやっているとしたら、休日や余暇の時間では、人の気持ちを考えなくて大丈夫な「一人でできる趣味」を楽しむことや気を使わなくて良い相手や環境に身を置くことを意識するなどが効果的と考えることができます。

時々、耳にする「お笑い芸人は、プライベートでは静か」というのもお仕事で明るく振る舞っているからこそ、プライベートでは静かに過ごすことを選んでいるのかもしれませんね。
(芸人さんのなかには、例外の方もいるようですが…笑)

疑問が明確になるカウンセリングのイメージ

結論

「うつ病やうつ状態になりやすい人となりにくい人の違い」は、脳疲労を軽減できているかが重要。

仕事とプライベートで行動パターンが違う人は、うつ病やうつ状態になりにくい可能性が高くなりますが、仕事でもプライベートでも同じ脳機能を活用している方は注意が必要です。

例えば、お仕事でパソコンの液晶画面を眺めながら文章を読むことが多い人が、プライベートの時間ではスマホでネットニュースを読み続ける…というような行動を続けていると、脳疲労が蓄積していって、やる気や集中力の低下や気持ちの落ち込みなどを感じやすくなる可能性が高まるということになります。

逆にお仕事で人と関わることが多い人が休日にも沢山の人と関わる活動を続けていくと「人と関わることが嫌になる」という可能性も考えられます。

例えば、筋トレでも同じ個所を鍛え過ぎてしまうと腱鞘炎になったり、ケガをしてしまうことにも似ているかもしれませんね。

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということわざもありますが、得意なことでも偏って使い過ぎてしまうと無意識レベルでそのことが「嫌い」になってしまうこともあるのが人のこころ…。

無理をし過ぎず、バランスの良い生活をしていきたいですね(^^)

長文にお付き合いいただきありがとうございました!

もしも、「自分は、どんな脳疲労が生じているんだろう…」と疑問を感じた場合は、お気軽にカウンセリングにお越しくださいね(^^)

カウンセリングこころの羽 岡本教兵