こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岩本です。
今回は認知行動療法が進化して作られた、新たな心理療法と言われている“スキーマ療法”というものに焦点を当てていきたいと思います。
認知行動療法が主に“症状”、“困りごと”に焦点を当てているとすると、スキーマ療法は“生き方”、“価値観”に焦点を当てて考えていくと言われており、非常に視野を広く捉えることの出来るアプローチです。
“スキーマ”という言葉自体、聞きなれない方が多いと思いますので、分かりやすく説明しながら、進めていきたいと思います♪
自動思考とスキーマ
認知行動療法では、認知(頭の中の考え、イメージ)を階層的に捉えていきます。
そのため、自動思考は“浅いレベルの認知”、スキーマは“深いレベルの認知”と言われています。
ここで出てきた自動思考って何?と思う方も居らっしゃるかもしれないので、もう一度復習していきます。
何かの出来事が起こった瞬間に頭に浮かぶ、または頭をよぎる考え、イメージのことを自動思考=ホットな思考といいます。
この場限りの認知のことなので、状況や出来事によって違うことが特徴です。
一方で、その人の頭の中にすでにそのような思考が実在している、自分や世界や他者に対する深い思いや価値観にもとづく認知のことを“スキーマ”といいます。
この認知は継続的に自分の中にあるものと言われています。
もう少し分かりやすく説明していくと、“スキーマ”というものは特にその人自身の“信念”、“価値観”、“マイルール”、“深い思い”、“自己イメージ”、“人間観”、“世界観”といったことに関わる問題を扱うことが多いです。
例えば…
状況:友達と待ち合わせの時間に遅れてしまいそうな時…
あなたならどうしますか?
1.走りだす
2.少し遅れるくらいなら良いかと考える
1を選んだ人は“待ち合わせには遅れてはならない”というスキーマ、2を選んだ人は“待ち合わせに少しくらい遅れても大丈夫”というスキーマが存在しています。
ちなみに私は2番のスキーマを持っているので、友達との待ち合わせは遅刻常習犯です(笑)
スキーマ療法って…?
今度は少し発展したスキーマ療法について、少しだけ触れていきたいと思います。
実際のカウンセリング事例についても今後投稿していく予定となっておりますので、まずはどういうものなのか知って頂くための知識を記載していきます。
スキーマ療法とは、認知行動療法を発展させた統合的な心理療法と言われています。
認知行動療法では改善が難しい苦しみや生きづらさを抱えている方々をどうにか出来ないかと考え、作られたものです。
誰もが抱える生きづらさを根っこから十分に理解し、必要に応じて、生きづらさを手放したり、新たな生き方の指針を考えていくことをカウンセラーと共に行っていきます。
スキーマ療法では、過去の傷ついた経験を扱うことが多いです。また、過去の傷ついた経験に関連した現在の傷つき体験も一緒に行います。
誰もが“見たくない経験”、“感じたくない経験”だと思います。
自分に痛みをもたらす体験をわざわざ思い出したり、見たり感じたりすることは苦痛に感じるかもしれません。
しかし、自分の痛みをまるごと見て、感じることで生きづらさが徐々に軽減していくことがあります。
具体的にカウンセリングでは…
ちなみに、スキーマ療法で扱うのは、ほとんどが“人生の早期に形成され、後にその人を生きづらくさせるスキーマ”と言われています。
このスキーマを理解するためには、自分の生まれ、育ってきた過去の道のりをカウンセラーと一緒に振り返りながら進めていくことが重要です。
例えば…トラウマや虐待を受けた経験がある、機能不全家族(家族の安全が守られず、適切な保護が与えられずに、一人一人の人格が尊重されない家族)で育ったことがある、現在大人になって生きづらさを抱えている等、様々な方々に適応できる心理療法の一つであると思います。
私自身も認知行動療法では、扱うことのできない深いレベルの悩みに達したときに、このスキーマ療法を学び、自分の人生の棚卸しをしたり、生きづらさの根っこを整理してみたり…。
そして自分特有のスキーマを見つけ、モニターすることで、新たな自分の生き方の指針を作ることが出来ました。
生きづらさを手放すことは怖さや不安があるかもしれません。一人ではなくカウンセラーと共同作業で徐々に解消していくことで、その生きづらさを手放すことが出来ると思います。
その生きづらさを手放すために、『カウンセリングこころの羽』を利用してみませんか?
カウンセリング事例も参考にして頂ければと思います(*^^*)
『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岩本望未