SOSを出せる場所~介護負担が引き起こすうつ病・介護うつ~

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岩本です。

今回は私が前職で身近に感じていた“介護うつ”に焦点を当てて、どのようなサポートがカウンセリングで出来るのか記載していきたいと思います。

病院という現場で感じていたことも交えて記載していきたいと思います。

ケガをしているテディーベア
介護うつに焦点を当てていきます。

介護うつの症状

介護うつは介護者がうつ病を発症することです。実際に私が回復期病棟で働いていた時、今後の介護に不安を強く感じている家族、未来が見えずに何も考えられない家族等…多数の家族を見てきました。

その中でも以前より介護をされていて、再入院になってしまい、介護疲れが蓄積され、お見舞いに中々見えない家族もいらっしゃいました。

“介護うつ”まではいかなくとも、今後に不安を抱えて暮らしている方はたくさん居ると思います。特に下記の症状が見られる方は、かなりストレスがかかっている状態と言えます。

1.食欲がなくなる(食欲不振)

「美味しい」と感じる気持ちが減少するため、食べることへの意欲が低下していく状態です。
物をあまり食べない状況になるため、体重も減っていくことが特徴です。

2.眠れなくなる(睡眠障害)

同じ時間に布団に入っているのになかなか眠れない、眠れたと思っても途中で何回も目が覚める、目覚ましをかけているわけではないのに朝早く目が覚めてしまい十分な睡眠がとれない等の症状が特徴です。

3.疲れやすい(疲労感、倦怠感)

今までと同じような行動をとっているだけなのにすぐに身体が疲れてしまい、身体のだるさを感じる状態です。
身体の重さを感じるので、何かをすることが億劫になり、活動する気持ちが衰えて無気力な状態になります。

4.ソワソワする(不安感、焦燥感)

原因が分からない焦りや漠然と不安な気持ちが頭を離れず、イライラしたり気持ちが落ち着かない状態です。人によっては音に対する感覚が敏感になり騒音、物音(時計の秒針の音やテレビの音、皿がぶつかる音など)が気になるようになります。

5.落ち込む(憂鬱感、思考障害)

人と関わることの負担を大きく感じ、自分の周囲で起きる出来事や世の中の話題に興味関心が少なくなる状態です。
また「思考障害」と呼ばれる状態が起こると、物事をネガティブに考える傾向が強くなり、場合によっては自殺願望を抱くケースもあります。

上記の症状が1日中見られ、連続して2週間以上続くことで“介護うつ”の可能性が高いと言われています。

針金で作られたハート
心が疲弊することで、身体に影響が出てきます。

介護うつの原因

“介護うつ”の原因として一番最初に挙げられるのは、精神的ストレスであると感じます。
介護の専門的知識や経験が少ない在宅介護者にとって、介護は大変な重労働です。
何度も専門家に方法を教えて貰っても慣れることは中々難しいと思います。

そして最近は被介護者が認知症のケースが増加しています。
認知症の場合、介護をしていても感謝を示してもらえない場合が多く、時には罵声を浴びせられることもあり、大きなストレスを感じることもあります。

私も臨床現場では、認知症の方々と触れ合い、対応をしてきましたが、個人個人で対応がかなり違うため、悩むことも多々ありました。
認知症の家族を抱えるご家族さまもどう対応したら良いか分からず、“辛い”とお話しされていた方も居ました。

そのような方々に私はリハビリ場面を見学して頂きながら、日々の様子について話し、関わり方のコツを伝えさせて貰っていました。
家族へのアプローチはリハビリにとっては欠かせないことであると思いますが、中々時間が取れないという現状もあります。
(分刻みのスケジュールで動いていることが多いため)

また家族の介護をしている時に“孤独”を強く感じてしまうことも多くあります。
作業を分担したり、介護について相談する相手が居なければ、介護者は一人で思い詰めてしまい、周囲も気づかないうちに“介護うつ”を発症してしまうこともあります。

SOSが書いてあるメッセージボトル
SOSを出すことが大切です…。

カウンセリングを利用することで

まずは蓄積されているストレスの水を排水溝に捨てることから始めます。ストレスの水は溢れてしまうと自分の力でコントロールすることが出来ません。
その溢れている水をまずは捨てることが大切になっていきます。

その後、ストレスを感じている要因について分析していき、サポート方法を提案させて頂きます。
例えば、介護で自分の時間を取れないというお悩みであれば、介護サービスを見直すことや隙間時間で出来るストレス対処法を一緒に探してみたり…。

被介護者の対応が上手くいかず悩んでいるというお悩みであれば、一緒に対応方法を考えて実践して頂いたり…。
(私は5年間、認知症の方々と関わり、認知症ライフパートナー検定2級という資格を取得しています。)
もちろん他の疾患の方の対応方法も大歓迎です♪

これは一部の例ですが、介護中の方、現在ご家族が入院中で退院先に迷っている方…様々な悩みがあると思います。

その悩みが膨れ上がる前に、SOSを出せる場所『カウンセリングこころの羽』でお話ししてみませんか?

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岩本望未