漫画版完結記念『鬼滅の刃』ヒットの理由を心理カウンセリング視点で分析

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岡本です。

私もアニメ、漫画ともにお気に入りの『鬼滅の刃』が完結&連載終了になったとのことで、無理矢理な延長にならなかったことに安心しつつも、どこか寂しい気持ちになっております(笑)

私が『鬼滅の刃』と出会ったのは「アニメ版」がスタートでした。

最初のうちは「なんとなく」見ていただけでそれほど“特別な作品”という認識にはなっていなかったのですが…

ストーリーが進むにつれて徐々にハマっていき…「第19話 ヒノカミ」を観たことで私のなかでは「殿堂入り」しました(笑)

ネタバレを避けるために内容については割愛させていただきますが、私としては2回観て、2回とも泣くという体験は衝撃的でした…。

そこで今回は、漫画版の連載終了(完結)を記念して(?)心理カウンセリングのなかでも活用されている心理学や脳科学の理論に照らし合わせながら分析してみようと思います♪

◆恋愛よりも絆をベースにしたストーリー

ふたつの手

これは、『鬼滅の刃』に限らず、最近のヒット作品に共通することが多い傾向かもしれません。

例えば、『ワンピース』は、主人公であるモンキーDルフィーの仲間たちとの絆や成長を中心に描かれている気がしますし、『HUNTER×HUNTER』は主人公ゴンフリークスや仲間たちの成長や葛藤、未知の存在への挑戦などが描かれている印象です。

ひと昔前の作品だと「主人公とヒロイン」はセットであることが当たり前で、二人の恋愛模様がストーリーの重要な要素とされていることも多かったのではないかと感じます。

もちろん、これは作品ごとのストーリーやキャラクターの魅力によっても“何がメインか”は読者側の印象としても変わる部分ですし、最近の他のヒット作品では「主人公とヒロイン」が活躍する設定もまだまだ多く見かけられます。

ただ、鬼滅の刃に関しては、私が感じる限りでは主人公の竈門炭治郎(かまど たんじろう)と妹の禰豆子(ねずこ)の家族の絆が物語の中心。

このあたりが私自身の感動した決め手になったように思えますし、幅広い世代の方から共感を得やすかった最大の理由ではないかと感じるのです。

もちろん、人それぞれの価値観でどこに興味を持つか、心を動かされるかは異なる部分だと思いますが、「恋愛」よりも「家族の絆」の方が現代社会での「共感」が得られるのかもしれませんね。

◆アニメ版大ヒットの脳科学的秘密

左右の脳

ここからはよりマニアック(?)な分析になってきますが(笑)

『鬼滅の刃』の大ヒットの特徴としてアニメ版の存在は無視できません。

実際に私自身も漫画から入ったのではなく、アニメから入った一人です。

ufotable(ゆーふぉーてーぶる)というアニメ制作会社が手掛けた本作品は、第一話の背景描写の時点から圧倒的な空気感を持っていたと感じます。

雪山の厳しさや寒さを感じるほどの映像的な美しさ。

私の場合は、この時点で作品の魅力に魅せられていたのかもしれません。

そして、主題歌は大好きなアーティストであるLiSAさんがオープニングとエンディングの両方を担当するなど耳から入ってくる情報としても非常にテンションが上がる条件が揃っておりました(笑)

第19話の挿入歌は、私の涙腺を緩めるには十分過ぎる効果をもたらしていました…。

さらに、主人公である炭治郎たちが使う技は「呼吸」の使い方を変化させることで、敵である鬼と闘う力を引き出すという設定。

これも中2的な発想だと「自分にも出来そう」と感じてワクワクしてしまいました(照)

この「映像」「音声」「体の感覚」というのは、NLP系の脳科学でいうところの「視覚」「聴覚」「身体感覚」という3つのタイプとも連動するものと考えることができます。

これらは表象システムとも呼ばれ、人が持つ五感による働きのなかで人それぞれ「得意な感覚」が異なるという考え方にも通じるものとなります。

表象システムについて説明していくと、それだけで相当なボリュームになってしまうのでここでは割愛させていただきますが、『鬼滅の刃』のアニメ版は、この3つのタイプのどれに当てはまる方でも楽しめる作品だったのではないかと感じるのです。

◆驚異的販売数の裏側には心理学的理由も…

ハートの形の本のページ

心理学のなかには「行動原理」と呼ばれる多くの方にとっての「価値観」の基準となる傾向があります。

これらが当てはまることにより世の中の多くの人が似たような行動をとることも自然な流れなのかもしれません。
(最近の出来事だと、タピオカドリンクの流行やトイレットペーパーの買い占めなども「行動原理」に当てはまるものと考えることができます)

今回、『鬼滅の刃』が大ヒットした背景には、3つの行動原理が影響している可能性が考えられます。

①一貫性の原理

一貫性の原理とは、何かをやり始めたときに「一度決めたことだから…」と損をする場合でも続けてしまう傾向のことです。

アニメ版『鬼滅の刃』は、漫画版の単行本7巻の途中までで終了し、「つづきは映画で…」となったのですが、ストーリーを途中まで観てしまった私としては「続きがきになる!」と思ってしまったわけです(笑)

その結果…7巻だけでなく、「どうせ買うなら…」と全巻を「大人買い」してしまう結果となりました(汗)

②社会的証明の原理

社会的証明の原理とは、多くの人がやっていることを正しいと思いやすい傾向のことです。

これは、最初、興味がなくても友人や知人が「面白いよ。読んでみなよ」と勧めてきたり、「大ヒットしている」という情報を聞くと「ちょっと読んでみてみようかな(観てみようかな)」と考えることもあるかもしれません。

なかには「流行っていると、逆に興味がなくなる…」という価値観の方もいると思いますので、必ず当てはまるというわけではありませんが、今回の『鬼滅の刃』大ヒットの裏側にも「流行っているみたいだから見てみるか…」という気持ちでファンになっていった方も少なからずいるのではないでしょうか。

③希少性の原理

希少性の原理とは、その言葉の通り「希少性の高いもの」=「手に入りづらいもの」ほど手に入れたくなる傾向のことです。

◆まとめ

ボード-ステップ

『鬼滅の刃』が大ヒットした理由を改めてまとめると…

① 幅広い立場で共感できるストーリー

② 幅広い価値観に対応できる演出

③ 購買意欲を高める心理的要因

これは他の漫画作品や動画、音楽などに共通するかもしれませんし、共通しないかもしれません。

また、時代とともに変化していく部分なのかもしれません。

それでも、まったく無関係になることはないでしょうし、一つの参考には出来るのかもしれませんね。

このように日常の出来事も視点を変えてみると新たな発見や気づきがあるものです。

悩みの大きい小さいに関わらず、心理学や脳科学などの心理カウンセリング的なアプローチに興味をお持ちの方はお気軽にご相談くださいね(^^)

今回の考え方をあなたの人生に当てはめてみると、どんなことに気づきますか?

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岡本教兵