ストレスを「なかったこと」にしていませんか?

こんにちは。札幌市中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の小田です。

自転車で買い物に行けるシーズンが到来し、両手に荷物を抱えて、つるつる路面の上をそろりそろりと歩かなくて良くなったことにひと安心の今日この頃。冬場は体に余計な力が入っていたなぁと思います。

春は、なにかと新しいことが始まる季節で、ワクワクすることもあると思いますが、どちらかと言えば、「不安」になりやすい季節ですよね。

小田のカウンセリングは、中央店で行っていますが、ブログの方は、篠路店の方も気まぐれに投稿しています。
何かと不安になりやすい時期に、おススメのセルフケアについてご紹介した最新のブログは、こちら→

コロナ禍で生活様式が一変したこの一年。
誰もが、かつてない種類のストレスを感じているのではないでしょうか。

今回は、自分自身が感じているストレスを、外在化(がいざいか。体やこころの「内側」で生じた現象を、話したり、書いたりして「外側」に出すこと)する効果について、考えてみたいと思います。

◆ストレスって何だろう

ストレスと鉛筆

ストレスのもとになるものとして、「ストレッサー」というものがあります。
ストレッサーとは、ふりかかってくる「刺激」や「変化」のことで、大きなものから小さなものまであります。

「夫婦仲が悪くて離婚しそうだ」「会社が倒産して無職になった」といった大きなストレッサーには気づくことができますし、「職場の人間関係が良くない」といった中くらいのストレスにも、まあまあ気づきやすいかもしれません。

では、「つるつる路面の上を、両手に荷物を抱えて、転ばないように歩くこと」も小さなストレッサーだと気づけるでしょうか。

なんとなく、「それくらいのこと」とか、「いちいちストレスだと考えても仕方がない」と思いませんか?
ストレス心理学では、まずは中くらいのストレッサーに気づけるようになること、そして、小さなストレッサーにも目を向けるようになることが、とても大切なことだと考えられています。

かつての私は、「ストレスなんてない」というのが自分の口癖で、実際にストレッサーの存在を「なかったこと」にし続け、うつ病になって休職した経験があります。

当時を振り返ってみると、この「ストレスなんてない」は、不治の病などの大きなストレッサーを頭に思い描いていました。

たいていのことは我慢できることであり、我慢することにより、自己の精神が強化され、自己成長に繋がる。
人に期待するよりも自分を鍛える方が生きやすい。

そんな風に考えて、我慢したり辛抱すれば、ストレスを感じずに強くなれると思っていたのです。

◆気づくことから始まる

ボード-ステップ

脳では、入力された情報に対し、約0.2秒で好き(快楽)か嫌い(苦痛)を決めて、感じ取ったことを元に理性的な決定を下し、行動を行います。

この一連の「情報→認知→判断→行動」にかかる時間は実に1秒未満と言われていますが、私の場合は、「認知」の部分で「嫌なこと」を感じても、「仕方がない」と変換する癖がついていて、0.2秒で苦痛を感じているはずなのに、それを「嫌なこと」と認識すること自体に罪悪感がありました。

今でもその癖は残っていて、ハッとすることがあります。
「嫌だなぁ」とか、「疲れたなぁ」と感じること自体は自然なことなのに、そう思うこと自体に「許可」を出せていなかったのです。

ポジティブでいたい思いが強くて、ネガティブに思うことや感じること自体を「封印」して、ストレッサーを無視し続けていた結果、ある日突然、強制終了してしまいました。

療養中に、カウンセリングを受け、ストレッサーの存在に目を向けて、分析することをひたすら繰り返すなかで、「仕方がない」こととして自分の中でひっそりとしまい込んでいた数々の出来事やストレッサーの存在に気づき、苦痛を感じて、ダメージを受けていたんだなと認識できました。

いい、悪いじゃなくて、シンプルにこういうことが辛かったんだな。
じゃあ、これからどうしたい?
このまま、我慢して生きていくの?
それって誰のためなの?

◆自分に優しく生きていきたい

デイジー-ハート

自分に優しくすること、癒していくこと、ありのままの自分を受け入れていくこと。
そう考えることは、甘い考えのようで、抵抗がありました。

そんなんじゃ、厳しい現実世界では生きていけない。
もっと、強くなくちゃいけない。自分を鍛えないといけない。

そこには、生きていくことが、辛く、厳しいものだという「前提」がありました。
今は、その「前提」を書き換えることに決めました。

生きていくことは、辛く、厳しい面もあるかもしれないけれど、幸せで、楽しいこともあって。
だったら、少しでも幸せや楽しいと感じられる毎日を送りたいし、そのために、自分に優しく生きていきたい。

自分を癒しながら、ありのままの自分を受け入れていけば、意外と世界は私に優しいんじゃないかしら。
そんな風に思いながら、毎日、自分のココロとカラダの調子に目を向けて、対話を続けています。

※ 小田は、4月24日から5月1日まで、ゴールデンウイーク前のお休みをいただいてます。5月2日から、ゴールデンウイーク中もカウンセリングをお受けしています。空き状況はこちら→

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』小田真実