こんにちは。札幌市にある『カウンセリングこころの羽』の岡本です。
つい先日、ようやく春になったかと思えば…一気に暑くなってきましたね(汗)
冬場には「早く暖かくなって欲しい…」と思っていたのに、いざ暑くなってくると「冬が恋しい…」と思ってしまう私は、とてもワガママなのかもしれません(苦笑)
さて、今回は、「体感気温」をテーマに「人の捉え方」についてカウンセリング視点で分析してみようと思います♪
それは事実?それとも思い込み?
誤解のないように最初に書かせていただくと…
今回のテーマは、「あなたが考えていることは思い込みだ!」などと、上から目線で考え方を押し付ける内容ではありません。
物事に対する「考え方」として一つの「方法」をご紹介していきます(^^)
冒頭に書かせていただいた「気温」を題材に少し考えてみましょう。
まず、本日の札幌の気温は、最高24℃とのことです。
あなたにとっては、「暑い」でしょうか?それとも「涼しい」でしょうか?
札幌生まれ、札幌育ちの私にとっては「暑い」と感じるのですが…
同じ質問を沖縄生まれ、沖縄育ちの方にしてみると…
「涼しい」という回答が返ってくるのかもしれません。
このように考えると「暑い」という状況は、「事実」なのでしょうか?
それとも、「思い込み」なのでしょうか?
人は物事を絶対的な基準ではなく、相対的な基準でとらえている
そう考えると人が感じること(今回の場合は「暑い」と感じること)は…
ある意味では、「事実」ではなく、「思い込み」なのです。
これは、「悪いこと」ではありませんが、自覚しておくことはとても大切です。
例えば24℃という気温は、Aさんにとっては「暑い」気温ですが、Bさんにとっては「涼しい」気温です。
なぜ、そんな違いが発生するかというと…
体質の「個人差」というのも一つですし、「価値観」の違いというのも一つです。
24℃は、絶対的(何があっても変わらない)基準ではなく、相対的(今までの体験や比較対象と比べたときの)基準と言えるのかもしれませんね。
例えば… 前日が19℃だったときの24℃は「(昨日と比べて)暑い」 かもしれませんが、前日が28℃だったときの24℃は「(昨日と比べて)涼しい」のです。
これは、Aさん、Bさん、それぞれの感覚がおかしいわけではありませんよね?
どちらにとっても「事実」ですが、どちらにとっても「思い込み」なのです。
このことと同じようなことが日常生活の中では、よく起こっています。
同じような出来事が起きてもAさんにとっては「幸せな一日」Bさんにとっては「不幸な一日」になる可能性があります。
例えば、「上司から怒られる」という体験。
このことをAさんは、「上司が期待してくれている。自分は幸せだ」と感じるかもしれませんが、Bさんは「上司に怒られた。恐い。今日は、なんてついていないんだ…」と感じるかもしれません。
なぜ、そんなことが起こるのか…
人の頭(脳)は、様々な出来事に対して、常に情報処理(情報分析)を行っています。
このときにすべての出来事に対して一から順に「これは、事実か?」などと確認していては処理に時間がかかりすぎてしまい、自分自身の身を危険にさらすことになってしまいます。
例えば、目の前にクマが現れたときに、「このクマが危険だと感じるのは、事実か?思い込みか?」などと“じっくり”考えていたら、その間に襲われるかもしれませんよね…(汗)
もちろん専門的に考えると別の選択肢があるのかもしれませんが…素人の感覚で考えると目の前にクマが現れたと認識した瞬間に「逃げる」のが正解だと感じます。
このような状態を防ぐために「過去に似たような体験」をしている場合は、その体験に当てはめることで脳の情報処理を「ショートカット」(短縮)するための機能が「思い込み」であると表現することができるのかもしれません。
これ自体は、人が「自分の身を守るため」に必要不可欠な機能です。
が、
それが過剰に使われてしまうと「実際には起きていないこと」=「事実ではないこと」を「事実」として思い込んでしまい、頭の中で起きている出来事と実際に起きている出来事がずれてしまうこととなります。
この状態になってしまうと様々な場面で不都合が生じてしまいます。
これが「問題」なのです。
価値観の偏りを防ぐためには…
どのように感じるか自体は、「問題」ではないのです。
前述のとおり、頭の中で起きている出来事と実際に起きている出来事がずれてしまい、“人間関係や仕事(学校)がうまくいかなくなること”が「問題」なのです。
物事の捉え方=価値観が偏っている場合には、とくに大きな問題を発生させることがあります。
こうなってしまうと「自分だけの力」ではどうにもならないことがほとんどです。
なぜなら、「自分」で「自分」のことは、よくわからないものです。
自分の価値観が「間違っている」などと考え始めてしまうと「何が正しいか」がわからなくなってしまいますし、どこが「間違っているのか」と考え始めてしまうと自分の行動に自信が持てなくなってしまいます。
そもそも自分の考え方は自分にとっての「普通」なので、価値観の偏り自体に気付けないことがほとんどです。
そんなときに「客観的」に状況を把握して、「現実に起きている問題」をできるだけ小さくする方法を一緒に考えることもカウンセリングの役割だと私は考えています。
実際に「どう感じたか」ということよりも自分には「どう感じる傾向が強いのか」をしっかり把握していくことを意識しながら、心理学や脳科学の様々な理論を照らし合わせながら分析していくのが私のカウンセリングスタイルと言えます。
そうすると今現在「起きていること」の捉え方が変化したり、これからどうしていくべきかが少しずつ見えてきますし、結果として心が軽くなってくることを実感いただけることが多いように感じています(^^)
P.S.
季節の変わり目は、体調を崩しやすいものです。
温度調整しやすい服装やこまめな水分補給など、状況にあわせた対策をしっかりとっていきましょうね!
『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岡本教兵