こんにちは。札幌市にある『カウンセリングこころの羽』の岡本です。
日々、様々なお悩みへのカウンセリングを担当させていただくと「不安」や「緊張」への対処方法を相談者さまと一緒に考えることが多くあります。
人の心は不思議なもので、一度不安や緊張を実感してしまうと必要以上に過剰に意識してしまいますよね…。
そして、それを止めようとすればするほど、変えようとすればするほど上手くいかなくなっていきます…
そこで今回は、『こころの羽』のカウンセリングでも活用している「心理学」と「脳科学」2つの視点から解消方法や解決策を一緒に考えていこうと思います。
なぜ、意識するほど上手くいかなくなるのか
自分自身の欠点や課題を克服しようとする時、繰り返しトレーニングすることは自然な考え方であるように思えます。
その反面、それをやってもなかなか改善につながらない…
実は、この状況になるのは“理由”があるのです。
心理学的な視点から考えると…
例えば、嫌いな人がいるとします。
その人との距離を離すことが出来る場合は、関わることが少なくなるので、自然とその人のことを忘れられるかもしれません。
でも、嫌いだと思いながらも近い距離にいる場合、最終的にはその人の存在自体にストレスを感じるようになってしまうこともありますよね?
これは、「〇〇さんが嫌い」と考えれば考えるほど、頭の中には「〇〇さん」に関する情報をキャッチしやすいアンテナを立ててしまうようなものだからです。
相手のことが好きでも嫌いでも、強い感情は相手への興味関心に繋がってしまいます。
これは、嫌いな食べ物の味には敏感になってしまうこととも似ているかもしれません。
これが、自分に対する「嫌いなところ」だとすると…
自分からは逃れることが出来ないので、どんどん自分の嫌いな部分をキャッチするアンテナが強化されて…。
想像しただけでも恐ろしいパターンです(汗)
脳科学的な視点で考えると…
人の頭(脳)は、非常に高性能であることは皆さまもご存知だと思いますが、脳が記憶するときに“否定形”を省略してしまうことはご存知でしょうか?
否定形…つまり「〇〇ではない」という部分を削除した状態で記憶に蓄積してしまうのです。
例えば、緊張しやすい性格の方が「私は緊張しない」「私は緊張しない」と自己暗示的に繰り返し意識したとします。
すると、脳内では「緊張(する)」「緊張(する)」と繰り返し蓄積していくことになります。
「不安にならないようにしよう」と考えるということは、「不安だ」と考えることとイコールなのです(汗)
これは悲しい話ですよね。
「変えよう」「変えよう」と考えるほどに逆に苦手なこと、問題点や課題に対するイメージを自分の中に膨らませてしまうのです。
では、どうするか
それは、理想的な状態を想像して、繰り返しイメージトレーニングすることです。
「悪い部分を直す」と考えるのではなく、「良い部分を伸ばす」&「足りない部分は付け足す」と考えることが改善への近道だったのです。
私自身もこの考え方を知った時は衝撃的でした。
人生を振り返ってみると、悪いところや欠点を直そうとして、どれだけ繰り返し蓄積してしまっていたか…(苦笑)
その結果、軽度の失語症を体験してしまったこともあります。
初期段階の「音声チック」(鼻を鳴らしてしまう状態)になったこともあります。
その後、様々な対処方法を試みて回復することが出来ましたが、「直そう(治そう)」と考えたことで症状が長引いたことは言うまでもありません。
自分の出来ないことではなく、出来ることに意識を向ければ、症状の悪化自体を避けられたのかもしれませんね(汗)
今回、テーマにさせていただいた不安や緊張の場合だと、その状態を直す(治す)のではなく、まず最初にリラックスした状態を知ることが重要です。
そして、そのリラックスした状態を再現することを練習していく。
そうすることが改善や回復への近道になるのではないでしょうか。
もちろん、人の悩みは十人十色です。
原因が異なれば対処方法も異なります。
自分なりに対処してみて、うまくいかない時には悪化する前にお気軽にご相談してくださいね(^^)
あなたが変えたいと思っていることは、どんなことですか?
『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岡本教兵