その悩みを誰に相談するべきか…〜カウンセリング?心療内科?それとも…〜

こんにちは。札幌市にある『カウンセリングこころの羽』の岡本です。

日常生活の中で頑張れば頑張るほど増えていく「悩み」…。
あなたは、今、どんなことで悩んでいますか?

私自身も20代の頃と比べれば30代後半になった現在では、悩みの種類も変化しており、以前ほど「落ち込む」という状態になることは少なくなってきました。

それでも、日々の中で「こんな時、どうしたら良いんだろう?」「誰かからアドバイスをもらいたい」「専門家はどう考えるんだろう?」などと考えることもあります。

もちろん、「こころ」の問題であれば、私自身が専門家としてお仕事させていただいているので、自己解決できることもあるのですが、事務仕事のことや子育て、何かしらのトラブルに遭遇したときなどは「第三者の意見」が欲しくなることや「頭の中を整理したい!」と思うこともあるのです。

そんな時に相談できる窓口としては、カウンセリングルームはもちろんのこと、様々な場所がありますので、今回は「相談窓口」としての選択肢とそのメリット・デメリットについてまとめてみようと思います。

◆悩みの種類について知る

まず最初にとりかかることとして、そもそも「今、感じている“悩み”がどんな種類のものなのか」を知ることです。

この段階が不足してしまうとせっかく「お金」や「時間」をかけて相談したのに無駄になってしまった…。
そんな状態にもなりかねません。

悩みの種類は大きく分けると3パターンあると私は考えています。

①過去の体験が影響している悩み

例えば、過去の失敗や辛かった体験を思い出してストレスを感じてしまう。悲しい気持ちになってしまうという状態です。

②今、現在の悩み

人間関係や仕事、学校、家庭での課題など。今現在、置かれている状況に対する悩みを持っている状態です。

③未来に対する悩み

主に未来への「漠然とした不安」や「見えないことへの不安」など。未来への明るい予測ができない状態です。

これらは、複数が絡み合っている場合もありますし、本人が「これだ!」と思っていても根本的な原因は別の種類である場合もあります。
どれが良くてどれが悪いということもないですし、その時の状況によって変化していくことも大切なポイントになります。

一般的に悩みが大きく膨らんでしまいやすいのは①の「過去の体験が影響している悩み」と③の「未来に対する悩み」です。

②の「今、現在の悩み」についても人によっては、大きな悩みになることはありますが、悩みが「現在進行形」である分、対処がとりやすく気持ちの落ち込みへの影響は他と比べると大きくない傾向があるように感じます。
もちろん、 「現在」の悩みで、一つ一つが小さなものでも複数の悩みが積み重なると結果として心がストレスに耐えられる許容範囲を超えてしまい気持ちが大きく落ち込んでしまうことがありますので、その部分は他の2種類の悩みと同様、注意が必要です。

◆悩みの種類別、相談窓口

では、それぞれの悩み毎にどのような相談窓口があるでしょうか?

一般企業が運営しているもの、公共機関が運営しているもの、医療機関が運営しているものなど、現在は様々な相談窓口が存在しています。
逆にいうと相談窓口が多すぎて、どこに相談していいのか分からなくなる…そんな場合もあるのかもしれませんね(汗)

実際に当店と同じように「カウンセリングルーム」として運営している場所も札幌市内だけでも数十件ありますし、心療内科や精神科など「こころ」に関わる治療を行っている場所も多数あります。
ここ数年の傾向としては、スマホの普及に伴いインターネットが身近になったことも影響してか「こころの悩み」=「病気」?と不安を膨らませてしまい医療機関を受診するケースも多いように感じます。
もちろん、数ヶ月、数年単位で悩んでいる場合は、「薬」による治療が有効な場合もありますし、会社や学校に休職・休学を認めてもらうためには医師の診断が必要な場合がほとんどです。
その結果として、多くの心療内科の場合は「新規予約は2~3ヵ月待ち」なんてこともよく耳にするお話…。

「今、辛い状態」なのに数ヶ月待つのはキツイですよね。
そんな時に最初は、“一時的”にカウンセリングルームへ予約をしてみる。その結果、心療内科に行く必要がなくなってしまった。
という状況をよく経験しています(^^)

辛い状況、悩みに大きいも小さいも関係ありません。
本人にとって「辛い」と思えば、それは解決していく必要があることだと思いますし、自分自身で解決策が見つからなければ専門家に頼ってみることは非常に有効な選択肢です。

そんな視点から、お悩みの種類別に適した相談窓口とその概要をまとめてみます♪

①(過去)の悩みに適した相談窓口

誰にでも過去の体験がある
過去の体験を乗り越えるには…?

◆カウンセリングルーム

(特徴)
  • 様々な悩みを聴いてくれる(過去の悩みに限らず、現在の悩み、未来の悩み、どのタイプでも対応することが可能。)
  • カウンセラー毎に得意な療法やアプローチ方法が異なる
  • 利用時間によって金額が決まるところがほとんど(基準金額は10分1,000円と言われており、50分や90分などプランやカウンセラーの方針などにより時間単位は様々)
(メリット)
  • 医療機関と比べ、話しを聴いてくれる時間が長めなので「悩みの相談」には便利
  • 継続して通う「義務」があるわけではないので、カウンセラーとの相性によって利用場所を変更することができる。
  • カウンセリングルーム毎に様々なプランを用意しているので、自分にあった場所を選ぶことができる
(デメリット)
  • 完全予約制が多く、人気のあるカウンセリングルームやカウンセラーだと予約がとりにくい
  • 診断書の発行ができないため、会社や学校に症状を証明するための機関としては利用できない
  • カウンセラーとの相性が重要なため、自分に合うカウンセラーを見つけることができるかどうかが効果に直結する

◆心療内科・精神科

(特徴)
  • 症状を聞いて「診断」してもらうことができる
  • 症状にあわせて薬の処方をしてもらうことができる
  • 医院によってカウンセラーが常駐している場合と不在の場合がある(過去が影響している悩みの場合は、カウンセラーが常駐している医療機関がオススメ)
(メリット)
  • 保険証の持参で保険適用範囲内の受診や診療を受けることができる
  • 症状の重さに応じて通院や入院など「治療」に対する様々な選択肢がある
  • 診断書を発行してもらえるため、会社や学校側に症状を理解してもらいやすい
(デメリット)
  • 話しを聴くのは「診断」や「薬の処方」のためなので、「悩み相談」には冷たく対応されることも多い(医療の「基準」が影響して、30分以内の問診を徹底している医師も多いと聞きます…。)
  • 病や障害に対して知識は豊富なものの「こころ」へのアプローチが得意だから医師になっているわけではない。
  • 医師との相性が悪いと感じた場合に「転院」の手続きで嫌な思いをしてしまうことも多く、結果として「どこにも通わない」という選択肢になる可能性がある

②(現在)の悩みに適した相談窓口

法律を司る女神-地球儀
現在の悩みを解決するためには…?

◆公共専門機関(区役所、労働基準監督署、医療系の電話相談など)

(特徴)
  • 公共事業として行っている場合は、料金が格安または無料の場合がある
  • 内容によって専門的なスタッフが対応してくれる場合がある
(メリット)
  • 無料での相談も受け付けてくれる場合もあり、比較的、金銭的な負担が少ない
  • より専門的なサポートが必要な場合は、紹介してもらえる可能性がある
(デメリット)
  • 混み合っていることが多く、待ち時間が長い
  • 初期段階の担当窓口では専門家以外の方が対応する可能性も高く、その場でのアドバイスをもらえないこともある

◆弁護士

(特徴)
  • 「法律」という視点でのアドバイスをもらうことができる
  • 「相談」が無料な場合と有料な場合があり、有料の場合は比較的、高価なことがある
(メリット)
  • 必要に応じて問題解決のための具体的な対応をしてもらうことができる(書面作成、交渉、訴訟など)
  • 有資格者のみが対応しているため、安心感が大きい
(デメリット)
  • 問題解決のために法的な対応をとることが前提のため、人間関係のトラブルなどの場合は「大ごと」になりやすい
  • 初期段階の相談は40~50分で数千円~などだが、実際に書面作成などを依頼すると数万円~数十万円の費用が発生する

◆コーチング、コンサルティングなど

(特徴)
  • 様々な専門分野毎に数多くのトレーナーが存在している
  • 基本的には自分自身で対処することが前提となり、ある種の「正解」や「一般論」を押し付けられる場合もある
(メリット)
  • 相性の良いトレーナーを見つけられるとカウンセリングに近い効果を発揮することができる(安心感、信頼感など)
  • 自分の中にはない「視点」に気づくことができ、問題解決を早められる可能性がある
(デメリット)
  • 「価値観」や「考え方」を押し付けられてしまう可能性があり、相性が悪い場合は、悩みが悪化する可能性がある
  • 有名なトレーナーになるほど金額が高価になりやすく数万円~数十万円の受講料になる場合もある

◆その他候補

カウンセリングルームでも「コンサルテーション」という考え方があり、カウンセラーの専門分野や得意分野によっては対応できる場合があります。
また、身近な知人や職場の上司などに相談しやすいことも「現在の悩み」が中心な場合の特徴と言えるかもしれません。
いずれにしても自分自身の悩みの種類を把握し、その専門家へ相談することが解決への一番の近道と言えます。

③(未来)の悩みに適した相談窓口

悩み相談を受ける女性
未来の不安を軽減するためには…?

◆ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタントなど

(特徴)
  • 国家資格を保有しており、高い専門知識とアドバイスを受けることができる
  • 個人で活動している方も多く、自分と相性の良い人に出会うことが重要
(メリット)
  • 自分には無い視点で的確なアドバイスをもらえる可能性がある
  • 将来に対する不安などは、グラフや表にまとめて説明してもらうことで安心できる可能性がある
(デメリット)
  • 単独で資格を保有しているというよりも「保険の営業」などの一環で資格取得している方も多く、何かしらの「商品」を案内される可能性がある
  • 自分の価値観との相性が悪い場合は、強いストレスを感じるきっかけになる可能性がある

◆占いなど

(特徴)
  • ◯◯占い、◯◯鑑定など様々なジャンルやルーツが存在している
  • インターネット上での「無料診断」から対面形式での有料の鑑定まで選択肢が豊富
(メリット)
  • 「信じる」ことにより、安心感を得られる可能性がある
  • 自分の行動に対して「目安」や「基準」を持つことで、悩みが軽減される可能性がある
(デメリット)
  • そもそも「根拠」が明確では無い場合も多く、疑い始めると効果がどんどん低下していく
  • 占い師、鑑定士の中には「自分の考え」を押し付けるタイプの方もおり、自分に合わない「考え方」を意識することでストレスが増えてしまう可能性がある

◆その他候補

未来への悩みについてもカウンセリングや各専門機関で相談へ対応してくれる場合もあります。
重要なのは、悩みが「物質的」(お金やものに関するものなど)なのか「心理的」(不安など)なのかを見極めることかもしれません。

物質的な悩みであれば、ファイナンシャルプランナーへの相談は有効な方法かもしれませんが、心理的な悩みであれば、カウンセリングの方が適しているのかもしれません。

また、占いとカウンセリングは、ある意味では「似たようなサービス」と言うこともできます。

『占い』は統計学や占星術などが「根拠」であり、それに沿ってアドバイスをしてくれるものです。
それに対して『カウンセリング』は心理学や脳科学など、医療関係の知識に近いものが根拠であり、それに沿ってサポート、アドバイスしていきます。

どちらが良い、悪いという話ではなく、あなた自身にとって「抵抗感」が低いのがどちらなのか、信用しやすそうなのはどちらなのかを判断基準にして選択してみても良いと私は考えています。

最後に…

いかがだったでしょうか?

「なるほど」と思っていただけた方も「そんなの知ってるよ」と思った方もいらっしゃるかもしれません(^^;

そして、カウンセラーという立場で書かせていただいている分、『カウンセリング』押しが強めに出てしまったかもしれません(笑)
もちろん、極力、情報・内容が偏らないように意識して書かせていただきましたので、ある程度の参考になるのでは?と思っております。

いずれにしても自分自身の「悩み」がどんな種類のものなのか、問題解決のために実行できることは何なのかを把握していくことは、とても大切です。

『カウンセリングこころの羽』では、「理由が分からない」「漠然と不安を感じる」「なぜかイライラしてしまう」などの原因不明の段階でもお悩み相談を承っておりますので、一人で悩む時間を延ばしてしまうよりも早め早めに相談して「こころを軽く」「気持ちを楽に」してしまうことをお勧めいたします。

今後もこのブログでは、ストレス対策やメンタルケアのヒントをご紹介していこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岡本教兵