辛い時に浮かぶ考えに注目してみよう。~認知行動療法を知るために…第2弾!~

こんにちは。札幌市にある『カウンセリングこころの羽』の岩本です。

前回に引き続き、認知行動療法を知るために必要な視点について、考えていこうと思います。

今回は自分を追い詰める思考=自動思考に着目していきます。

前回の内容はこちら

“ホットな思考”を見つけてみよう

辛い気分の背景には、必ず自動思考というものが存在すると言われています。辛い、悲しい場面で、頭に浮かんだ思考があると思います。

その時に浮かぶ思考は、多くの場合、複数あると言われています。その中で、自分を特に苦しめる特定の思考があります。これが“ホットな思考”と言います。

この“ホットな思考”は考えを思い浮かべた時にもっとも心がざわつき、悲しくなったり、辛くなったりするもので、一番最初に取り組むべき課題です。

では、私の病院に勤めていた時の例を踏まえて、“ホットな思考”を見つけていきましょう。

辛い気分の背景には…

状況:仕事の書類を期日までに作ることが出来ず、上司に怒られてしまった。

急いで書類に取り掛かろうとするも、「もうやったから良い。」と言われた。

◆自動思考(例)

  1. 他の人はちゃんと出来ているのに、自分は失敗ばかり…。
  2. 失敗ばかりだから、上司に嫌われたに違いない。
  3. もっと早く言ってくれたら良かったのに。悪い上司だ。

皆さんは同じ状況の時にどのような思考が浮かびますか?

この中で私が一番強く感じていたのは、今だから言えますが、③番でした。

これら3つの自動思考には認知のゆがみ=推論の誤りがあります。

全部で10種類あり、どこがどう偏っているかを知る一つの指標になります。

認知をゆがめる原因

以下に“推論の誤り”について簡単に触れてみます。

  1. 全か無か思考:100%でなければ、失敗と考えてしまう思考。ものごとを極端に捉える、二者択一的な傾向がある。
  2. 一般化のしすぎ:たったひとつの出来事を根拠に、あらゆることが悪い結果になると予測する。
  3. 心のフィルター:世の中や他人の良い部分がまるで見えなくなり、現実の全てが悪いことに思えてしまう。
  4. マイナス化思考:全てを悪い出来事、悪い評価にすり替える思考。
  5. 結論の飛躍:「先読みの誤り」と「心の読みすぎ」がある。前者は自分の将来についての結論、後者は他人の気持ちに関する結論を飛躍し、思い込む。
  6. 拡大解釈&過小評価:短所は大げさに、長所は過小して評価する。
  7. 感情的決めつけ:物事を理性でなく、感情で判断し、感情を真実そのものとみなす。
  8. すべき思考:自分や他人の行動に「~すべき」というルールを課す。
  9. レッテル貼り:頭の中のイメージで“〇〇人間”と決めつける。
  10. 個人化:自分には関係のないことまで、自分のせいと考え、自己嫌悪に悩まされる。

書いてみると認知のゆがみってこんなに種類があるんですね汗

ちなみに上記の例では、①は拡大解釈&過小評価、②はマイナス化思考、③はレッテル貼りとなります。

推論の誤りに気づいたら…

10種類の中で自分に当てはまるものはあるでしょうか?

ちなみに私は⑥と⑨の思考の偏りがあり、苦しい時期がありました。特に⑥の思考は未だにあり、褒められても素直に受け入れられないことが多いです(笑)

最近は『カウンセリングこころの羽』の代表・岡本さんが褒め上手のために、段々受け入れられるようになってきました!

これも自分の成長ですね。

まずは自分の思考の偏りに気づくことが、心を楽にする第一歩であると思います。ちなみにこのような傾向は、他の状況でも見られると言われています。

自分を苦しめている思考を『こころの羽』で見つけて、一緒にサポート方法を考えていけたらと思います。自分を知る第一歩、踏み出してみませんか?

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岩本望未