こんにちは。札幌市の中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岩本です。
最近ニュースで取り上げられている“コロナウイルス”。
徐々に日本各地に広がっていて、日々ニュースを見るのが怖いです。
来週から関東の方に旅行に行くため、マスクと除菌ジェルを買いに行こうとするも一足遅かったという感じです(笑)
さて、今回は以前も取り上げた“介護うつ”について、前職で働いていた時の事例を交えながら、記載していきたいと思います。
4人に1人は介護うつ
厚生労働省の調査では在宅で介護をしている方の4人に1人の割合で介護うつという結果が出ており、年々増加傾向であることが分かっています。
また同居している介護者に悩み・ストレスはあるかという質問に対して、悩み・ストレスありと答えた方は6割以上であったと言われています。
現代の老々介護の現状からも、介護うつを発病する人は年々増えてきているように感じます。
以下に代表的な介護うつの症状を挙げていきます。
何個か当てはまるものはあるでしょうか?
1.集中力がない
2.話しかけてもボーっとしていて、うわの空のことが多い
3.趣味、好きなことに興味を示さなくなった
4.面倒くさがって外出しない
5.いつもイライラして落ち着きがない
6.夜中に目が醒める、寝つきが悪い
7.マイナス思考の発言が多い
8.友人や親せきなどの人に会うのを嫌がる
認知症の父とその家族
前職の時に、重度の脳梗塞により、認知症を発症した父を介護していた家族の担当になりました。
当初より“自宅に連れて帰りたい”と強い希望をされていましたが、身体の機能よりも認知症の症状が重く、今後の生活のイメージ、予後予測をすることも困難な状態でした。
認知症の症状により、人格崩壊や異常行動、そして老年期のうつを併発していました。
問題行動により、ご家族は何度も病院に呼ばれ、その度に涙を流したり、“こんなお父さんを看る自信がない”と日々弱音を吐いている時期がありました。
問題行動はエスカレートし、遂にはアクシデントレベルの事件が起こってしましいました。
その時、家族は泣き崩れてしまい憔悴しきった様子でした。
私はご家族に出来ることは何かと考え、次に行く病院について調べてみたり、服薬調整の必要性について説明したり、ご家族の不安な点の対応方法等をまとめて渡してみたり…一番はご家族のお話を毎日聞きました。
退院の日。私はお休みであったためにお見送りは出来ませんでしたが、後日上司から“岩本さんに話を聞いて貰って不安もなくなったし、楽になりました。”と言っていたことを聞きました。
その時にはご家族は笑顔で帰っていったそうです。
不安なこと、辛いことを誰かに話をするだけで楽になれることもあるのではないかとこの事例を通して実感しました。
SOSが言える場所として利用する
介護うつを抱えるご家族の特徴として、介護サービスを中々前向きに使用することが出来ていない、ケアマネに話をすることが苦手等が挙げられます。
今も尚、介護うつを相談できる場所は限られています。
電話相談を受け付けている場所もありますが、気軽に利用することは難しい場所であると思います。
まだまだ介護うつや介護の悩みに“カウンセリングを利用しよう”となることは少ないかもしれません。
しかし介護うつはまず溜まっているものを話すことで吐き出すことが一番大切であると臨床経験からも思います。
介護サービス担当者やケアマネがその役割を担うことが重要なのかもしれませんが、時間を取ることが出来ないことも現状です。
それならば、気分転換の外出にカウンセリングを利用して、溜まったものを定期的に吐き出すことも必要な時間であると思います。
中々外出が難しい方はオンラインでもカウンセリングの予約を受け付けているので、気軽にご利用ください。
『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岩本望未