術後のうつ状態について

こんにちは。札幌市の中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岩本です。

札幌に春はやってくるのか、心配になるくらい毎日雪が降り続いていますね。
私の愛犬であるランちゃんは雪が大好きなので、散歩に行くと雪の中を舌を出しながら走り回ります(笑)
もう14歳の老犬ですが、雪が好きなのは変わらないみたいです。
人間は雪に嫌気がさしてきますが、犬にとって雪は気持ちの良いものなんでしょうか…。

さて、今回は手術とうつ病の関連性について触れていきたいと思います。
高齢者に多く見られますが、最近では有名な芸能人が当てはまり、一時的に休業していたニュースもありました。

当てはまる方、その家族にとっても参考になれば幸いです。

父と子のシルエット

誰にでも起こり得るもの

前職では、“大腿骨頸部骨折”の診断後、手術をしてリハビリのために入院してくる患者様を多く担当していました。

その患者様にほとんど共通していることは、“意欲の低下”でした。
高齢ということもあると思いますが、それにしても何かをすることに対する意欲が低いと不思議に思っていました。

また脳卒中後の患者様にも同様の症状が見られていました。
担当医の依頼で“SDS(主観的うつ病スケール)”の評価をお願いされると、ほとんどの方が“うつ状態”の範囲に当てはまりました。

このことからも手術後や大きな病気をした後の“うつ状態”は誰にでも起こり得るものであると言えます。

その理由として、手術は成功したものの、術後の痛みやしびれが続く、または体の動きが制限されるなどの理由により不安感が出現します。

「ずっとこのまま痛みが残ったらどうしよう」「今まで通り生活できるだろうか」等と思い悩みすぎてしまい、不眠や食欲不振といった症状が現れ、「抑うつ状態」に陥ってしまいます。

悲しんでいる女性

術後何年か後に発症することも…

私の親戚はまさにこの術後のストレスにより、術後約1年後にうつ病を発症して、入院をしていました。

親戚の集まりの時に、「リハビリをしても中々良くならない」「この痺れは良くなるのだろうか…」といつも不安を言っていました。
当時まだ専門学生であった私は大した知識もなかったため、中々そのことについて答えることが出来ませんでした。

痛みや痺れは不安症状を引き起こす引き金になる感情であると思います。
手術しても痛みがとれなかったり、痺れが残ってしまったり…健康であった自分の身体を知っているからこそ受け入れることに時間がかかってしまうのです。

前職の時も同様に不安症状を訴える方が多々居ました。
その時々により対応は変えていましたが、一番は本人の気持ちに寄り添いながら話を聞いてあげることが一番効果的な方法であると思いました。

作業療法士の視点から言えば、痺れや痛みがあっても、自分らしく生活するためにはどうしたら良いのかを重要視して考えていました。

医者の机

カウンセリングでも…

術後や大きい病気の後に、不安症状が出現し、日常生活に影響が出ているという方…その症状が強くなる前に、まずは自分の状態を話してみることから始めるのが大切であると思います。

自分の気持ちを話すことから、発見できることも多々あります。
「自分ってそう感じていたんだ」と気付きを得ることで、今後の対策も明確になっていくと思います。

不安が蓄積されていくと、その不安感が爆発し、自分では対処できなくなってしまいます。
そうなると“うつ病”や“うつ状態”に移行してしまう確率が高くなっていきます。ですから、その前に対処することが重要であると感じます。

対処方法は人それぞれ違うので、相談内容や状況を確認しながら一緒に解決策を見つけていきます。

ご本人さまのみならず、一番近くで支えているご家族様のサポート方法についても気軽にご相談して頂ければと思います。

コップの水が不安感で溜まってしまう前に…ご利用を検討いただければと思います(*^-^*)

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岩本望未