こんにちは。札幌市の中央区にある『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』の岩本です。
今回のブログのテーマは“トラウマ体験”についてです。
私も前職の頃、トラウマ体験があり、思い出しただけで不安を強く感じることがありました。
経験したことがある方もたくさんいらっしゃると思います。
このトラウマ体験がどのようにおこっているのか、そしてどのような症状が出るのか見ていきたいと思います。
トラウマ体験の3つの反応
トラウマを体験すると3つの反応が出現すると言われています。
まずは脳の中でどのようなことが起こるのか見ていきます。
危険を感じると…
脳の警戒システムが発動します。
そこで副腎からストレスホルモンが分泌されます。
その後交感神経の働きが強まり、血圧の上昇、心拍数の増加、呼吸が浅くなるなどの反応が見られます。
そして前述した3つの反応が起こります。
1.闘争
過活動、攻撃的な言動、反抗的になることが多い。
2.凍りつき
ぼーっとする、記憶が抜け落ちる、無表情となる。
3.迷走
引きこもり、孤立、回避する行動をとってしまう。
そしてトラウマは脳の中の偏桃体の過剰な反応が起こりやすいと言われています。
偏桃体と前頭前野の働き・バランスが悪くなり、ストレス反応が生じやすくなってしまうのです。
詳細には、情動脳(偏桃体)の興奮を理性脳(前頭前野)が制御できなくなります。
ちなみに偏桃体とは…
側頭葉内側にあり、大脳辺縁系の一部。
人間の情動・感情の処理、恐怖、記憶形成、痛み、ストレス反応について関与している部分。ストレス反応では特に不安や緊張、恐怖反応に関わっている。
前頭前野とは…
前頭葉の一部で大脳の約30%を占めている。
考える、行動や感情をコントロールする、話す、記憶する、やる気を出す等に関与しており、人間が人間らしくあるために強く関わっている。
ストレスホルモンが分泌されることで…
副腎皮質という場所から分泌されるストレスホルモンについて、少しだけ触れておきたいと思います。
ストレス、栄養摂取の不足により、3つのホルモンの分泌が低下すると言われています。
1.アドレナリン
低下すると、血糖・血圧の上昇、感覚麻痺を引き起こす。
2.ノルアドレナリン
脳の活性化に関与しているため、低下すると、集中力低下を引き起こす。
3.コーチゾル
免疫の上昇に関与。低下すると免疫システムにエラーが起こる。
これらのホルモンの分泌が低下することで、副腎疲労を引き起こします。
副腎疲労の症状としては、慢性疲労状態、集中力の低下、睡眠障害、身体疼痛、起立性低血圧等が挙げられます。
症状の中では特に睡眠障害を起こすことが多いと言われています。
対処方法としては…
今までトラウマ体験のメカニズムとストレスホルモンの症状について書かせていただきました。
最後は少しだけ対処法とカウンセリングではどうしていくのかに触れておきたいと思います。
向き合うために必要なことは3つあると言われています。
一つは自分が辛いことは何かを明確にする。
トラウマ体験を思い出すことは中々大変なことではありますが、どういう体験が今自分の中で引っかかっているのかを明確にすることは大切なことです。
二つめは「そのとき」と「今」を区別する。
トラウマ体験を経験すると、今後も同じようなことが起こったらどうしようと警戒心が強く出現すると思いますが、今、現在と区別することで楽に考えられるようになることもあると思います。
三つめは安全感を構築する。
人間の欲求のひとつである安心・安全の欲求を満たす場所に身を置くことで、自然と安心感が湧いてくると思います。
これらを踏まえて、カウンセリングでは、自分をコントロールできる力をつけていくこと、低下してしまっている自己肯定感や自己承認を高めること、安心・安全な居場所、関係性を作ること等のお手伝いをさせて頂くことが多いです。
トラウマ体験による辛い気持ち、『カウンセリングこころの羽』で克服できる一歩を一緒に踏み出してみませんか?
『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岩本望未