想像することの重要性~カウンセリング視点で考える不安を解消する方法②~

こんにちは。札幌市にある『カウンセリングこころの羽』の岡本です。

前回の投稿から少し期間が空いてしまいましたが…今回もカウンセリングの視点から「不安」の解消方法を考えていこうと思います。

この方法は、「不安」だけではなく「緊張」や「恐怖」などの心理的な状態にも当てはめることが出来るかもしれません。

現在の日本では、多くのものが溢れ、不自由を感じる機会が少なくなっている状況のため、人類の進化の歴史を考えるような機会も少ないかもしれません。

しかしながら、別の角度から見てみると今までとは違った視点で見えてくることもありますよね。

まずは一度、自分自身の体験を振り返ってみながら「使えそうなところ」をヒントとして活用していただけると嬉しいです(^^)

脳科学から考える不安-メンタルヘルス

脳科学から考える「不安」とは

今回の考え方の土台になるのは脳科学の基本的な考え方です。

脳科学の視点から「不安」を考えてみると…どのような状態に対して不安を感じそうな気がしますか?

例えば…

将来が不安、老後が不安、明日が不安などの“未来に対する不安”

「上手くできるだろうか」「失敗したらどうしよう」「迷惑をかけたらどうしよう」などの行動に対する “ 自信の無さからくる不安”

「失敗してしまったかも」「ガスの元栓閉めたかな」「家の鍵をかけ忘れていないかな」などの“過去の行動からくる不安”

様々なパターンの不安がありそうです。

でも、よ~く見てみると共通のパターンが見えてきませんか?

これらは、全て「見えないこと」「分からないこと」「確信を持てないこと(不確かなこと)」に対する気持ちなのです。

不安や恐怖を感じる暗い道

どうして人には“不安な気持ち”があるのか

不安を感じてストレスが溜まる。辛い気持ちになる。嫌になる。

そんな気持ちなら、無くなってしまったほうが良いのに!と思うことは人生で一度は経験することかもしれません。

しかしながら、別の視点から考えてみると、この「不安」はとても大切なことに気づきます。

不安を感じることによって身の危険を予め避けることができるかもしれません。

人類の進化の歴史を振り返ってみると「不安」を感じることは「命」を守るためには必要不可欠な能力だったのです。

このように考えてみると不安を感じること自体を否定しても上手くいかないことがイメージできそうですよね?

膨らむシャボン玉-膨らむ不安

不安が膨らむのを止めるポイントは

ここまでで「不安」や「緊張」「恐怖」などを感じることも人に備わった大切な機能であることを考えてきました。

では次に、そのような気持ちが膨らんでしまったときにどのように対処するか、どのようなアプローチが有効かということを考えていきましょう。

前述の通り人の心(脳)は、 「見えないこと」「分からないこと」「確信を持てないこと(不確かなこと)」 に対して恐怖や不安を感じるようになっています。

それであれば、その原因を解消することが一番の近道になるのではないでしょうか。

具体的に言うと…

「想像出来る、見える、分かる、理解できる状態にすること」となります。

例えば、相手の気持ちが分からなくて不安を感じるのであれば、勇気をもって相手の気持ちを聞いてみることも選択肢の一つかもしれません。

それが難しい場合は、客観的な第三者(例えばカウンセラーも選択肢ですね)に対して質問してみる。
自分以外の視点を知ることで不安な気持ちが軽減されることも考えられます。

家の鍵をかけ忘れたことが心配になったときには、実際に確認してみることが一番の近道かもしれませんし、場合によっては、「オートロック化」してしまうことも選択肢になるかもしれません。
最近では、インターネット通販などを通じてオートロック化するための装置が1万円弱でも購入できるようですので、気になる方は調べてみることもオススメです。

このように実際に確認できることであれば、具体的な行動をとることや事前の対策を打つことで不安な気持ちの原因自体を解消することもできる場合があります。

それ以外の未来に対しての不安が大きい場合には、実際に似たような体験をすることも選択肢の一つです。
例えば…試験が不安な場合には、「模擬試験」を受けることで雰囲気や問題内容に慣れることもできますね。

また、体験不足、経験不足をイメージトレーニングで補うことも可能です。

そもそも人の頭(脳)では、他人の体験と自分の体験に対する区別はつけられていないと言われています。

つまりは、自分が未経験のことでもリアルに想像できるようになれば、実際に体験したのと変わらない効果を得ることができるのです。

実際にワールドカップやオリンピックで金メダルを獲得するような選手たちは、練習の中にイメージトレーニングを取り入れていることが多くあります。

彼ら(彼女たち)の場合は、「本番」は数年に一度なので、実際の体験をする機会が根本的に少ないわけです。

そこを練習試合や国内の試合+イメージトレーニングで補っていく。

プロやプロレベルのスポーツ選手も取り入れている方法は、私たちのような一般人の日常生活にも十分な効果があるのではないでしょうか。

あなたにとって「不安」や「緊張」「恐怖」を感じるのは、どんな場面ですか?

それらは、どのような解決策が当てはまるでしょうか?

『カウンセリングこころの羽・札幌中央店』岡本教兵